春のめざめ
監督:アレクサンドル・ペトロフ
時間:27m

 近所のミニシアターで見てきました。
 少し前に、同じ、アレクサンドル・ペトロフ監督の『老人と海』をみてすごくよかったので、本作も期待して観に行きました。
 が、正直、ちょっといまいちでしたね。
 ストーリーとしては、俗物的な大人たちを尻目に、恋愛は神聖なものだと信じる16歳の童貞少年が、同世代の召使パーシャと、隣に住む25歳の大人の女性セラフィーマに恋をします。しかし、彼女達の真の姿は童貞少年の妄想とは違って…
 という感じの、『筆おろし系AV』一歩手前みたいなストーリーなのですが、とどのつまり、「妄想と現実の間で苦しむ童貞少年」を描いた映画です。
 油絵を一枚一枚描いた映像はあいかわらず他では見れない迫力ですし、ロシアという土地柄なのか世界観も独特でいい感じの作品ではあるのですが、個人的には以前みた『老人と海』の方が圧倒的に好きですね。
 「童貞少年の妄想」を描くには、どうも、こう、なんていうか、「汗臭さ」が足りないというか…
 結局、「童貞少年の苦しみ」って突き詰めると「汁」じゃないですか。
 知り合いにばれないように、真夏の暑い中、ものすごく遠くまで自転車で行って、エロ本もしくはAVを買ってきたとか、風邪で寝てるんだけどなぜか、「なぜか」になってしまってものすごい回数をこなしてしまったとか、そういった、体のいろんなところから出る「汁」的な要素が本作には欠落してますよね。
 なんか、こう、きれいにまとめようとしている感じがして、映画を見ているあいだずっと「だまされないぞ!!!!」という心の叫びが聞こえました。
 作品の手法事態はすごくいいと思いますし、個人的にも好きなんですが、描き出す題材を間違えましたね。

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