ピンチクリフグランプリ
監督:イヴォ・カプリノ
時間:1h37M

 近所のミニシアターで見てきました。
 夜八時半からの上映だったんっですが、子供連れの大人が多数来場してました。
 近頃の親は、夜遅くても子供を連れ出すんですね…
 私が子供のころは夜九時には寝かされていたような記憶があるのですが…
 さて、この作品、内容的には子供向けの人形劇なんですけど、大人が見ても十分に楽しめました。
 ていうか、そもそも「人形劇」って、ここ最近見てないような気がしません?
 一昔前は、それこそ、教育テレビで子供向けの「三国志」なんかが放送されてましたから人形劇自体になじみがあったんですけど、大人になってしまうと「人形劇」ってほとんど見ないじゃないですか。
 最近、『ストリングス』っていう人形劇映画が上映されてちょっと話題になってましたけど、ああいう、アダルトな作風の人形劇じゃなく、本当に子供向けのシンプルな「人形劇」って滅多に見ませんよね。
 本作『ピンチクリフ・グランプリ』はそんな良い意味でのシンプルさと完成度の高さを持った人形劇です。
 ストーリー的にも、「敵役のルドルフをレースで負かす」というごくごく単純なものなのですが、その単純さがすごくいいんですよ。
 登場する人形も一体一体ものすごく味があって、人形の一挙手一投足にすごく温かみがあるんです。
 主人公のルドルフが夜中に一人でハーモニカを吹いている場面や、そんなルドルフの背中を、家の中から相棒のルドビクとソランが見つめている辺りは、近年の映画ではなかなか見られない「いい感じの味」です。
 やっぱり、「人形」っていう表現手段がこの作品の内容にドンピシャなんですよ。
 これ、実写じゃ到底この「味」は表現できないでしょうし、アニメでもだめですよね。
 もしもアニメでこれと同じ内容の作品を作ったら、そのシンプルさから「狙ってる感」が感じられてすごく厭らしい作品になったと思うんですよ。
 でも、それを人形でやると、実にいいんですよね。
 本国ノルウェーでは1975年に公開されて爆発的にヒットした作品らしいですが、30年後の今だからこそ、この映画の存在はすごく貴重ですね。
 公式サイトを見る限り、思いのほかたくさんの映画館で上映されるみたいなので、本作を上映する映画館の近所にお住まいの方はぜひ一度ごらんになることをお勧めします。

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