ギター弾きの恋
監督:ウディ・アレン
出演:ショーン・ペン、サマンサ・モートン、ユマ・サーマン、ウディ・アレン
時間:1h35

 映画に関しては基本的に雑食状態なので、ホラー映画以外は何でも観ます。
 そんなわけで、時々、恋愛映画なんかも見たりするんですけど、この『ギター弾きの恋』はこれまで見た恋愛映画の中でも間違いなくベスト3に入ります。
 ていうか、ナンバーワンかもしれません(『トーク・トゥ・ハー』とのナンバーワン争いはかなり熾烈ですけど・・・)。
 とにかく、心の底から、「いやぁ〜、映画って、本当に、いいものですね」って感じです。
 それに、恋愛映画という枠をはずして、ウディ・アレンの作品としてみても、この『ギター弾きの恋』は、数あるウディ・アレンの作品群の中でも一番好きな作品です。
 もうねぇ、なんていうんですか、何がいいって、全部がいいんですよ。
 音楽、俳優、監督、雰囲気、映画の長さ、どれを取ってもすごくいいんです。
 恋愛映画というと、ここ最近は、セカチュウとか、もしくは、韓流系の「激情型」が多いような気がするんですけど、『ギター弾きの恋』はそういった派手さのある作品ではありません。
 どちらかというと、静か〜に、見ている人の琴線をコチョコチョっとくすぐるタイプの作品です。
 さて、この映画の柱となると、主役のエメットを演じるショーン・ペンと、ヒロインのハッティ役を演じるサマンサ・モートンということになるんですが、この二人、両方ともすばらしいですね。
 特に、ヒロインのハッティは映画の中で言葉をしゃべれない女性という設定なんですけど、言葉を一言もしゃべらなくても、エメットへの愛とハッティの純粋さがひしひしと伝わってくるんです。
 そして、それとは対照的に、主役のエメットの方も、ギターの腕以外は本当にどうしようもない、器の小さいお猪口なおっさんなんです。好きな女を連れてデート代わりに「ねずみ撃ち」に行ったり、バリバリの女好きのくせに、「女とは遊ぶが、女は必要じゃない」なんて強がりを言ってみたり、大人を目指して悪ぶりながら背伸びをしている中学生をそのまんま成人させたようなショボイやつなんです。
 そんなショボイおっさんが、この口のきけないヒロインと少しずつ少しずつ心を通わせていくんですけど、そんな心の交流も、ショボイおっさんの側からショボイ理由で断ち切ってしまうんです。
 でも、このおっさん、最後の最後に気づきます。「やっぱり自分にはあいつしかいない!!」と。
 でもねぇ。物事そう、上手くはいかないですよね。
 やっと、自分の本心に気づいて、別れたハッティを探し当てるんですけど、ハッティ、結婚してるんですよ。他の男と・・・。
 そして、おっさん、全てを悟ります。
 「遅かったんだ」と。
 映画の中で、エメットはギターの腕以外はどうしようもないダメ男ですけど、現実を考えると、ダメ男じゃない男っているんでしょうか?
 自分自身を振り返ってみると、少なくとも、私はダメ男だと思います。
 やっぱり、終わってから気づくんですよね。恋愛だけじゃなく、色々なことに・・・。
 あの時こうしていれば、とか、やっぱりこうしておけばとか、後悔は少なからずありますよね。
 ダメ男かぁ〜
 いろんなことが身につまされる、すばらしい名画です。

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