喜劇とんかつ一代
監督:川島雄三
出演:森繁久弥、淡島千景、フランキー堺、加東大介、山茶花究、三木のり平、池内淳子
時間:1h34
近所のミニシアターで観てきました。
休日、一番最後の上映回だったんですが、まぁ、ものの見事にガラガラでした。
私は現在、地方都市在住なんですが、東京、大阪、名古屋といった大都市圏でも、この手の古い映画を上映すると同じようにガラガラなんでしょうか…?
さて、本作は、1963年公開ということで、コメディー映画と銘打ってはいるものの、実際に劇中で展開されている笑いは、現代のバラエティー番組でやっているような笑いとは全く違う、いわゆる「喜劇」という感じの折り目正しい笑いです。
ですから、正直、現代の我々がこの映画を見て笑えるかと言われたらかなり微妙です。
私自身、今年で29歳ですから、世代的には思いっきり「ダウンタウン世代」なんですけど、そういう世代の人たちが本作を観ても、あんまり笑えないでしょう。
唯一、三木のり平が「何はなくとも、江戸みどり」って言っている部分で少しだけクスッとしましたけど、それ以外は、まぁ、「ふ〜ん…」みたいな感じですね。
それでも、劇中に登場する極度にデフォルメされたシンプルな人間像は、やたらと複雑になりすぎた現代的な人物表現に慣れている我々世代の目には新鮮に映ります。
頑固親父は怒る、大学出という設定の若者は理屈っぽい、芸者さんは色っぽい、社長はちょっと横柄、社長の娘はバカ、研究者はMADな雰囲気。
このように、ものすごくステレオタイプに作り上げられたシンプルな人間像は、一人ひとりの振る舞いに裏切りがないので、映画を観ながら変な勘ぐり方をせずに安心してみることができます。
ですから、そういう意味では、誰もが腰を落ち着けてみることができる「ザ・娯楽映画」なんでしょうけど、それでも、まぁ、そうですね、「今、観る」っていうことになったら、やっぱり、ちょっと、シンプルすぎる感じですね。
「今」という時代の複雑な表現形式に疲れたとき限定で、お勧めできる作品です。
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