街のあかり
監督:アキ・カウリスマキ
出演:ヤンネ・フーティアイネン、マリア・ヤンヴェンヘルミ、マリア・ヘイスカネン、カティ・オウティネン
時間:1h15

 近所のミニシアターで見てきました。
 この映画、同じアキ・カウリスマキ監督が作った他の二作とまとめて「敗者三部作」って呼ばれているらしいです。
 「ロト三部作」とか「天空三部作」とか色んな三部作がありますけど、「敗者三部作」っていうネーミングはすごいですよね
 この「敗者三部作」って監督が名付けたんですかね?
 違いますよね。
 たぶん、評論家的な人たちが適当に括って名前をつけたんだと思うんですけど、この「敗者」っていう響きのインパクトがものすごいです。
 さて、肝心の作品内容についてなんですが、この映画、ものすごくいい映画です!!
 登場人物は少ないですし、起こる出来事もものすごくシンプルなんですけど、それでも、なんていうんですか、すごく「大切」な感じのする映画です。
 ストーリーだけを見ると、夜警の仕事をしている主人公が、一目ぼれした女にだまされてマフィアの犯罪の片棒を担がされることになり警察に捕まるのですが、だまされていることを知ってか知らずか惚れた弱みで女をかばってしまい、自分ひとりだけ罪をかぶってドンドン落ちぶれていってしまうという、まさに「敗者」一直線なんですが、こんな敗者一直線状態のなかに一筋の希望があるんです。
 ネタバレ的に言ってしまいますけど、その「希望」って、寂れたトレーラーでソーセージ売りの屋台をやっている女の人なんですよね。
 この女の人、決して主人公が恋焦がれる対象ではないですし、自分の方から積極的に主人公にアプローチしていくような人でもないんですね。
 ただ、終始、主人公のそばに「そっと、いる」だけなんです。
 でもこの「そっと、いる」っていうことにこの上ない暖かさと慈愛が感じられるんです。
 この映画のラストで主人公が陥っている状況は、常識的な観点から言えばどうしようもない最悪の状況です。
 でも、不思議と、本作のラストシーンには「希望」が感じられるんですよ。
 「希望」って、決して大げさなものではないし、大きな幸せをもたらしてくれるものでもないのかもしれませんが、どんな人のところにもただ「そっと、いる」んだなぁと、この映画を見終わった後、すごく暖かい気持ちになりました。

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