ミス・ポター
監督:クリス・ヌーナン
出演:レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー、エミリー・ワトソン、ビル・パターソン、バーバラ・フリン、マッティエロック・ギブス
時間:1h33
郊外のシネコンで見てきました。
特別、話題作というわけでもないので、客の入りはショボショボ。
私が住んでいるような地方都市の映画文化は衰退の一途をたどっています。
さて、そんなショボショボの客入りだったのですが、映画自体はそれほど悪くなかったです。
なんだったら、むしろ、良作といっていい出来だと思います。
ピーター・ラビットの生みの親であるビアトリクス・ポターの人生から、ピーター・ラビットシリーズ出版前後の部分を切り取って映画化した作品です。
主演は『ブリジット・ジョーンズの日記』のレニー・ゼルウィガーですが、この人は他の女優さんに無いいい感じの存在感をかもし出しますよね。
けっして美人ではないですし、どちらかというと、B路線だと思うのですが、そのB路線でありながらかわいさと愛嬌のある感じがなんともonly oneです。
日本でいったら誰なんでしょう…
「あき竹城」とか、そんな感じですか…?
年齢的には二周りほど離れてますけど、キャラクター的になんとなく似通ったものを感じます。
アンジェリーナ・ジョリーのような威圧系トンガリ路線でもなく、モニカ・ベルッチのようなセクシー路線でもなく、クリスティーナ・リッチーのような小悪魔路線でもなく、ジョディー・フォスターのようなインテリトンガリ系でもなく、メリス・ストリープのような知的大女優路線でもなく、いわゆる、どこにでもいそうなプチオバサン路線を歩む彼女の存在は、とりわけハリウッドという舞台ではものすごく貴重な存在だと思います。
さて、映画の内容に関してですが、取り立てて馬鹿でかい何ごとかがドーンと起こるようなタイプの作品ではありません。
恋人との死別という出来事はありますが、それも、必要以上にショッキングな描き方はされておらず、静かに静かに物語りは進みます。
劇中で起こる喜びも悲しみも、「過剰」という雰囲気が一切ないので、映画に日常をはるかに越えた感情の揺れ動きを期待する人にはこの作品はいささか物足りなく感じられるかもしれません。
でも、その「過剰」の無さは、全編が「優しさ」でコーティングされているような穏やかさの裏返しなので、私としてはすごくよかったです。
実際、映画を観ている最中よりも、見終わった後の満足感の方がはるかに大きい作品なので、観て損は無いはずです。
私が観に行った郊外のシネコンは、客の入りが悪いせいか、この映画をかなり早い段階で打ち切りにしてしまうようですが、こういった良質の佳作が評価されない時点でその土地の文化レベルの低さが露呈しますね。