麦の穂をゆらす風
監督:ケン・ローチ
出演:キリアン・マーフィー、ポードリック・ディレーニー、リーアム・カニンガム、オーラ・フィッツジェラルド、ウィリアム・ルアン
時間:2h06
この映画の中に、「また、700年苦しめというのか!!」という台詞があるのですが、アイルランドも英国からの独立を巡って長年ごちゃごちゃと争ってますね。
私はその筋の専門化ではないですし、歴史にもそれほど詳しくないので、確かなことはあまりわかりませんが、子供の頃、「イラン・イラク戦争」同じぐらい、テレビでニュースをつければ取り敢えず「IRA」とか「北アイルランドが〜〜」という言葉が飛び交っていたので、漠然と「なんだか、物騒な土地だなぁ」とは思っていました。
さて、この映画、舞台は1920年代なんですが、アイリランド側のテロが過激化していく過程と、英国と結ばれた講和条約の内容をめぐってアイルランド側が自らの国を二分して内乱を起こしていく現状を淡々と描いています。
よく、長年続いている紛争に対する形容として「泥沼」なんていう言葉が使われますが、この映画で描かれている状況を見ていると、本当に「泥沼」という感じです。
駐留している英国軍を追い出すという一つの明確な目標があった頃はまだよかった(まぁ、よかったといっても英国側の締めつけと、アイルランド側のそれに対する報復テロとの繰り返しですからよくも何ともないんですが…)のですが、特に、イギリスとの講和条約が結ばれた後に、内乱が生じていくときは、その泥沼さ加減が露骨に出てきます。
結局、誰も戦いたくないんですよね。
散々苦しみぬいたあげくに、お互いの理想と現実がぶつかりあって、どこにもはけ口が求められなくて、結局争うしかないというか、何が悪くて、何が良いのか、見ているこちら側もわかりませんし、当時を生きていたアイルランドの人達もわからなかったんじゃないでしょうか。
ただ、今、自分が属している側の考え方を「信じるしかない!!」っていうのが、なんだかすごくむなしいですし、閉塞感があります。
今の日本に生まれてよかったなぁ。
それにつきます。