21グラム
監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ
出演:ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロ、シャルロット・ゲンズブール、クレア・デュバル
時間:124m

 毎月、Free and Easyという雑誌を講読しているのですが、あるときその雑誌がこの『21グラム』をかなり大々的に宣伝したときがありました。
 アパートの本棚には今も入ってると思うんですけど、確か、雑誌本体の他に薄い小冊子までおまけにつけて『21グラム』を特集していた記憶があります。
 好きな雑誌が特集を組む映画ということで、面白いのだろうと思い、DVDが発売されてから近所のレンタルビデオ屋でこの作品をレンタルしてみてみました(直接映画館に行ったり、DVDを買ったりしないあたりが私らしいというか、行動力が無いというか…)。
 で、その感想ですが、なんていうんですかねぇ…。おもしろいっていうよりも、「重い」っていう感じですね。
 死と臓器移植に絡んだ複数の人々の人生をまとめ上げている作品なので、何をどうしても軽くなるわけはないのですが、それにしても、かなりずっしり来る作品です。
 骨が太いというか、薄っぺらい感じの一切ない映画です。
 見ている間はもちろんですが、見終わった後も、「う〜〜ん……」と唸ってしまいます。
 「アメリカってねぇ…なんだかねぇ…」なんて、ついつい、映画の背後にある色々なことにまで思いをめぐらせたくなるような、全てをさらけ出して「ドカン!!!!!!!!」とのしかかってくるような、そんな「ものすごさ」を持った映画です。
 とにもかくにも、「ずっしり濃厚」な映画なのですが、この映画最大の見所はといえば、やはりショーン・ペンですね。
 全編を通じて凄くいい味を出してます。
 ウディ・アレンの『ギター弾きの恋』を観ていたときも思ったのですが、映画の中のショーン・ペンを見ていると時々報道される私生活の暴れん坊ぶりはいったい何なんだろうと思います。
 あっ、それから、この映画のもう一つの特徴として、「時系列がバラバラ」という点が上げられます。
 わかりやすくいうと、ストリーのつなぎ方が『パルプフィクション』っぽいということなのですが、本作は『パルプフィクション』に2周りほど輪をかけて時間軸をばらばらにしてあります。
 でも、そのバラバラさ加減が気になるかといえばそうでもないですね。
 かなり細かく断片的にされた映像がバラバラに繋ぎあわされているので、確かに、一瞬の戸惑いはありますが、見ているとそれほど気にはなりません。ストーリーも普通に追いかけられますし、このバラバラ感が飽きが来るのを防いでくれて逆に凄く効果的だと思います。
 見ごたえは十分ですし、見終わった後の満足感もしっかり得られる良作なのですが、明るい気分になれる作品ではないので、その日をまるごと一日つぶすつもりで、がっつり腰をすえてみるタイプの作品ですね。

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