ラストデイズ
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:マイケル・ピット、ルーカス・ハース
時間:1h37

 音楽にはあまり詳しくないので、カート・コバーンという人物のことはこの映画ではじめて知りました。
 この映画を見た後で、公式ホームページにあるカート・コバーンの紹介文を読んでみました。カート・コバーン本人がどう考えていたのかは当然のことながら誰にもわかりませんが、少なくともその文章を読む限り、「破滅型の人だったのかなぁ」という気がしますね。
 「終わりの始まり」
 確か、この映画の一番最初の台詞だったと思うんです、この映画が描いている状況は、まさしく「終わり」の状況です。ドラッグの副作用なのでしょう、常にぶつぶつと何かをつぶやきながら、ふらふらとそこらじゅうをさ迷い歩く主人公。彼と同居しながらも、そんな状態の彼を助けようともせずフラフラと遊び歩く同居人、ただ「ツアーに戻れ」という命令だけを告げる冷酷な電話。助けも無く、理解者も無く、ただ、絶望と退廃だけがある。この映画が描くのはそんな状況です。
 映画のタイトルである「ラストデイズ」も、主人公の死という「終わり」までの数日間という意味ではなく、「終わっている日々」、即ち、この映画に描かれた日々こそが「終わり」なのだという意味なのではないかと、間違っているであろうことはわかっていながら敢えて勘ぐりたくなってしまいます。
 この映画を近所のミニシアターで見ていたとき、私の二列前の席に、いかにもロックをやっていますといった風貌のやせた色白の若い男性が座っていました。彼は、後姿からもその気配でわかるほど、ものすごく真剣にこの映画を見ていました。
 きっと彼は、音楽に疎い私のような人とは全く別の感情を抱きながら、この映画を見ていたのではないでしょうか。彼が抱いていた感情は、当然のことながらだれにもわかりません。カート・コバーンの死をモチーフにしたこの映画を見ながら、彼はどういったことを考えていたのでしょう。

Official Site

Home