ジャーマン+雨
監督:横浜聡子
出演:野嵜好美、藤岡涼音、ペーター・ハイマン、ひさうちみちお(特別出演)、本多龍徳、徳永優樹、田尻大典、飯島秀司
時間:1h11
近所のミニシアターで観てきました。
取り立てて予告編のCMを流していたわけでもないですし、上映回も夜一番遅い回だったんですけど、ある程度、客が入ってましたね。
さて、内容についてですが、これ、なんか、ちょっと、全体的に、完成度にほころびが…
役者さんの演技もそうなんですけど、カメラが同じ画面を写したまま変に長い間とまった状態になったりして、あれ、どうなの…
ああいうねらいなんですか?それとも、ミス?いや、ミスってことはないんでしょうけど、なんか、細かいところに神経が行き届いていない感じがします。
ストーリー的には、子供のころ、父親に汲み取りのマンホールに落されたトラウマを持つゴリラーマン顔のよしこが、植木屋のバイトと子供たちの縦笛の先生をしながら一生懸命生きている、みたいな話なんですけど、途中、妙にメタフィジカルな描写があったりして、とにもかくにも、全体的に「荒い」んですよ。
植木屋のバイトの同僚として妙なドイツ人が出てきたり、汲み取り家の小沢さんのキャラクター設定など、基本的にはコミカル路線なんでしょうけど、ところどころに、「みんないる、みんないるよ、みんな…」とか言いながら、子供が遊んでいる中をよしこがパタパタ走り回るみたいな、妙に哲学的な雰囲気がかもし出されていたりするんですよね。
ていうか、あの描写、要らんのじゃないか…
結局、監督さんが、自分のやりたいことを、まとめることなくただただ詰め込んでみました的な映画で、結局、観終わった後も「何?」みたいな感じで終わってしまいました。
人間の内面を写すようなちょっとメタフィジカルな雰囲気の描写って、難しいですよね。
以前、『運動靴と赤い金魚』っていうイラン映画を観たことがあるんですが、これも、すごくいい映画なのに、最後の最後に、子供が金魚の入っている池みたいなところに足を浸してその状態を水中から取るっていう、それまでの色調とは全然違う、不自然にメタフィジカルな描写が挿入されていて、「えっ?」のまんま終わるっていうことがあったんですよ。
結局、ちょっとメタな部分に関係する事柄を映像に託して表現しようとすると、どうしても、その部分だけ「浮く」んですよね。
本作『ジャーマン+雨』も、ものすごく庶民感のあるコミカルな映像の中に、妙に現実を越えたような描写がフワフワと挿入されるので、せっかく、入り込んでみてるのに、途中で雰囲気を断ち切られるように、突き放されてしまって、最終的に「なんだ…?」なんですよ。
この「何だ…?」をいい意味で取るか悪い意味で取るかは、個々人の判断なんだと思うんですけど、結局「なんだ…?」なんですよね。
この映画、自主制作なのか何なのかわかりませんけど、個人的には、同じ監督さんで、もう少し細かいところに神経の行き届いた作品が観てみたいですね。
なんとなく、不完全燃焼でした。