酒井家のしあわせ
監督:呉美保
出演:ユースケ・サンタマリア、友近、森田直幸、鍋本凪々美、濱田マリ
時間:1h42

 近所のミニシアターで見てきました。
 公開初日に行ったからかもしれませんが、全90席のうち50席ほどが埋まっていました。
 東京とか大阪とか、そういう大都市圏ではどうなのかわかりませんが、私が現在住んでいるような地方都市のミニシアターでこれぐらいお客が入っているっていうのは、けっこう珍しいことです。
 興行的には「あたり」という感じがしました。
 さて、肝心の内容なんですが、この作品、基本的に友近と濱田マリのネタです。
 一応、本筋はしっかりあるんですよ。
 酒井家の大黒柱である父親(ユースケ・サンタマリア)が、ある日突然、友人とホモ関係になって家を出てしまったが、その真相は……、みたいな。そういうメインとなるストーリーはちゃんとあるんですよ。
 でも、そのストーリー以上に、友近のおばさんっぷりと、濱田マリの喫茶店のおばちゃんっぷりがおもしろくて、そっちの方に集中してしまいましたね。
 実際、映画を見ているときも、映画館の中でちょくちょく笑い声が起こっていたんですけど、その笑いの質が、映画を見て面白いから笑っているときの笑いではなく、テレビのお笑い番組を見ているときのような笑いでしたからね。
 友近の母親役は、もう完全にネタそのまんまですよ。
 ネタのおばちゃんキャラをそのまま映画の中に移植した感じです。
 また、それに絡んでくる濱田マリも、立ち居振る舞いがなんとなく芸人くさいんですよね。
 演技をしておばちゃんをやっているんじゃなくて、何か演技とは別の事を意識した下心のある「おばちゃんキャラ」になっています。
 酒井家の息子を演じた役者さんの演技や、ユースケ・サンタマリアのとつとつとした感じなど、色々と見所のある作品なんですが、最終的には何もかもが友近と濱田マリの芸人オーラに食われたという感じですね。
 なんか、こうやって書いてみると、映画としては失敗しているみたいな感じに受け取られるかもしれませんけど、決してそういうわけではないですよ。
 冒頭に書いた「ミニシアターのお客さんが多かった」という事実からもわかるように、一本の映画として十分に楽しめる作品ですから、DVDを買うというところまではいかなくても、レンタルビデオ屋で借りて「損をした」という気分になることは決してないと思います。

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