好きだ、
監督:石川寛
出演:宮崎あおい、西島秀俊、永作博美、瑛太、小山田サユリ
時間:1h44
「好きだ」という一言は、今でも「重さ」を持っているのでしょうか?
言いたくても言えない。このシンプルな構造が作り出すどうしようもない重さは、今でも残っているのでしょうか?
「最近の若者」、いつの間にか、そんな言葉で一括りにされてしまっている世代とも、一線を隠す年齢になってしまいましたが、少なくとも私にとって「好きだ」という言葉はまだ「重さ」を持っています。
きっと、いつの時代でも変わらないのでしょう。若者でも大人でもやはり、「好きだ」という言葉は言えないんです。
「好きだ」、と、思いっきり銘打っておきながら、実際、映画の中でも、この「好きだ」という台詞が言われるのは一度(あれ?二度だったっけ?)だけです。
ある事故をきっかけに、17年前に言えなかった「好きだ」の一言が、ふと、口を付いて出てくる。そして、その瞬間に、やっと言葉の重さから開放される。
すべてを浄化してくれるようなラストシーンは、単にひとつの映画を見たという視覚的な経験としてではなく、ひとつの体験として、ずっと観る人の心のうちに残ります。
誰かを好きになることは、「痛い」こと。
この映画はその「痛み」を思い出させてくれます。