ストレイト・ストーリー
監督:デヴィッド・リンチ
出演:リチャード・ファーンズワース、シシー・スペイセク、ハリー・ディーン・スタントン
時間:1h51
エレファントマンやブルーベルベッド、ツインピークスなどで知られるデヴィッド・リンチが作った、正統派の大人の童話です。
デヴィッド・リンチというと、先にあげた作品に象徴されるように、人間の精神世界の際々の部分を描くカルト的監督という感じがしますが、本作『ストレイトストーリー』はそれらカルト系の作品とは明らかに毛色の違う作品です。
映画って、ブームとかその当時の時代性みたいなものが見る側に強く影響してしまう表現分野だと思うんです。だから、ブームに乗って見たそのときはすごくおもしろかったけど、あとでもう一度DVDとかでその作品を見返してみたら
「あれっ?」みたいな肩透かしをくらうときって結構あるじゃないですか。
でも、本作、『ストレイトストーリー』はいつ見返しても常に新しい喜びや満足感を提供してくれるであろう作品です。わかりやすくいうと、噛めば噛むほど味が出る「スルメ系」の作品なんですけど、こういう作品こそDVDで買うべきですよね。
さて、本作、インターネットで検索してみると、どうしてもデヴィッド・リンチに関する話題が多く引っかかるんですが、私が個人的に注目したのは主人公であるリチャード・ファーンズワースですね。
この俳優さん、日の目を見たのはかなり年を取ってからだったように思います。実際、私も、この『ストレイトストーリー』を見るまではこの人のことを全く知りませんでした。
しかし、本作でアカデミー賞にノミネートされたということからもわかるように、劇中での存在感や味わいはソン所そこいらの若手俳優には絶対に出せない渋さと貫禄があります。
たぶん、役を演じるのが上手いとかどうとかいうよりもそれ以前に、一人の人間として色々な人生を経験してきた重厚な人物なんだと思います。
「年を取って一番辛いことは何?」
「若い頃の事を覚えていることだよ。」
この映画の中で私が最も心に残っている台詞です。
2000年10月6日、末期癌との闘病の末、自宅で拳銃自殺。享年80。
リチャード・ファーンズワース、本当に優れた俳優だと思います。ご冥福をお祈りいたします。
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