シャイン
監督:スコット・ヒックス
出演: ジェフリー・ラッシュ、ノア・テイラー、アーミン・ミューラー=スタール
時間:1h45
父親と息子の関係を描いた映画って結構あると思いますけど、この『シャイン』も男親と息子の関係を描いた映画です。
音楽に詳しくないので、よく知らないのですが、デイヴィッド・ヘルフゴットという実在のピアニストの半生を映画化したものらしいです。
主演のジェフリー・ラッシュがアカデミー賞を取りましたし、一般的な評価も高く、有名な映画ですので、詳しい内容などはアマゾンのレヴューに任せますけど、この映画に出てくる親子関係って、ある意味ものすごいと思いませんか?
主人公のデイヴィッド、コンクールでラフマニノフ(この人もあんまりよく知らないんですよね・・・)という人が作曲した難しい曲を弾ききった直後に、緊張と精神的不安定のためにその場でバッタリ倒れて、それ以来、精神に異常をきたしてしまうんですよ。
たんにコンクールで緊張してったっていう理由で精神的にやられてしまうのであれば、メンタル面の弱い人で終わってしまうんですけど、この作品で問題(?)なのは、このコンクールでの緊張やそこに至るまでの精神的不安定の根本的な原因が、父親、および、その父親によって課せられたピアノのハードトレーニングにあるという点です。
生まれつき精神面が弱かったということも考えられますが、でも、仮にそうだとして、その分を差し引いたとしても、「精神に異常をきたすほどの練習って、どんな練習?」って感じがしませんか……
何をどれだけやればそんなに追い詰められるんでしょうか?
よく、スポーツ番組なんかで、五輪メダリスト級のアスリートが実践しているものすごくハードなトレーニング姿が報道されたり、トーク番組なんかでプロのスポーツ選手が体験した地獄のような練習の話が披露されたりしますけど、スポーツの場合、世界のトップに立つような練習をやったとしても精神面で以上が生じるっていうことはまずないような気がするんです(体が壊れることはあるでしょうけど・・・)。
私は個人的に運動方面にいた時期が長かったのでそっちサイドのことはよくわかんないんですけど、やっぱり、文科系っていうか芸術系の練習っていうのは、体の代わりに精神にくるんでしょうかねぇ?
確かに、この映画の中で描かれるお父さんのピアノ教育っていうのも、まさに文科系の一徹と飛雄馬みたいですごいんですけど、それにしても、「どういうこと?」って感じがしますね。
何でしょう、やっぱり、「愛」なんでしょうかねぇ。
愛さえあれば、どんな厳しい練習も課すことができるし、また、その練習をこなしていく側も、そこに愛があればこそ、その練習に耐えられんでしょうかねぇ。
実際、主人公のディヴィッドとその父親も、お互いにものすごく愛し合ってるんですよ。
父親は誰よりも息子のことを思っているし、息子のほうも誰よりも父親のことを思っているからこそ、その期待に答えようとして一生懸命になれるんですよね。
虐待だの何だのと騒がれている昨今ですけど、この映画に描かれている親子関係と、虐待騒ぎで取り扱われる親子関係との最大の違いは、やはり、「そこに愛があるのかどうか」だと思いますね。
精神を病んでしまったというのは確かに悲惨なことですけど、そこに究極の愛があるのなら、精神を病んだ側も全てを受け入れて許せてしまうのかなぁ、なんてことを思いました。
私の浅はかな常識の範疇ではとても扱うことのできないような、ある意味で「究極の愛」を描いた、名作だと思います。
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