ドンファン
監督:ジェレミー・レヴィン
出演:ジョニー・デップ、 マーロン・ブランド
時間:1h38
映画館に観に行ったのではなく、DVDをレンタルしてみた作品です。
DVDの裏に書いてある説明をほとんど見ずに、主演の欄に「ジョニー・デップ」って書いてあった時点で「はずれはないだろう…」とおもい、速攻でカゴのなかに入れました。
そんな借り方をしたもので、最初はてっきりドン・ファンの生涯を描いた伝記的、もしくは、そこまでリアリティはなくても文芸な作品としてドン・ファンの生涯に材をとった映画なのだろうと思っていたのですが、思いっきり現代劇ですね。
自らをドン・ファンと名乗る男が突如として現れて、「失恋した…」という理由で自殺しようとします。間一髪のところでマーロン・ブランド演じる精神科医に助けられたドン・ファン男ですが、その後も「自分はドン・ファンだ」という主張を曲げず、精神科医に延々と過去の恋愛遍歴を語りだします。他人がどうこう以前に、自分自身の家庭に問題を抱えていた精神科医ですが、ドン・ファンの治療の過程で、彼の女性に対する敬意、情熱、愛を聴くうちに、いつしか自分自身の態度が変わり、硬直していた妻との関係も和らいでいく。
大まかに書くとこんな感じのストーリーです。
本作はジャンルを無理やり分ければ「恋愛もの」に分類されると思うんですが、どちらかというと、単純に恋愛というよりももっと深く「人間愛」の領域にまで踏み込んでいる感じがします。
「人間愛」の入り口がたまたま「恋愛」だったというだけで、本作が放つ暖かな雰囲気は単なる男女間の恋愛よりも大きいなものとつながっています。
英語のLoveよりは日本語の「愛」に近いですね。「恋」じゃないんですよ。「愛」なんです。
映画の作風も全体的にコミカルですが、終始、奇をてらったところはなく、ゆったり安心して映画の雰囲気に身を任せることができます。
劇中で夫婦役を演じているマーロン・ブランドとフェイ・ダナウェイという超ベテランどころの一流俳優がかもし出す安定感がそうさせるのか、ややもすると軽薄になりそうなストーリーの単調さが、むしろストレートなやわらかさになってみている側に心地よいですね。
中でもラストシーンで精神科医役のマーロン・ブランドとその妻役のフェイ・ダナウェイが海辺でダンスを踊るシーンは本当に心がじんわりと温かくなる名シーンだと思います。
私がこのDVDを借りたレンタルショップでは、本作『ドン・ファン』はいつでもすぐに借りられる、いわゆる、「人気のない商品」だったのですが、この手の良作はもっと広く見てもらいたいですね。
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