タカダワタル的
監督:タナダユキ
出演:高田渡、柄本明、松本幸一、中川イサト、坂庭省悟
時間:1h05
公開当時に近所のミニシアターで観てきました。
以前、『笑っていいとも!!』を観ていたとき。テレフォンショッキングのコーナーに高田渡が出演していました。
そのとき、タモリが高田渡に対して、「フォークの神様っていわれてるのに、確か、オレより年下ですよね」といっていました。
今、ちょっと、wikipediaでしらべてみたんですけど、タモリが1945年生まれ、高田渡が1949年生まれで、確かに、高田渡の方が年下でした。
タモリのルックスは当時も今もあまり変わっていませんし、当時の高田渡のルックスも本作に出演している高田渡とほぼ同じなので、簡単に比較はできると思うんですが、この年齢とルックスの逆転現象に関しては、「タモリが若い」と解釈すべきなのか「高田渡が老けている」と解釈すべきなのか微妙なところです。
ただ、本作を見てみると、高田渡っていう人間が、もう、世俗を超越してしまっていて、そもそも「年齢」っていう概念が問題にならない存在という印象を受けます。
当然のことですけど、我々一般人は朝早く起きて、九時から五時まで仕事し、毎日毎日同じことを繰り返して、そうやってお金をもらって暮らしていかなければなりません。
内面的にはそれほどちゃんとした人間じゃないのに、皺のないピンと張ったスーツを着て、喋りたくも無い仕事場の人間とへらへら喋ってうわべの人間関係を築き上げ、その人間関係に基づいてお金をもらって暮らさなければならないんです。
そんな我々にとって、このDVDに描かれているタカダワタル的な人生はものすごく憧れてしまいます。
昼間からフラリと飲み屋に現れて、ほどほどに酒を飲み、夕方になったら自宅アパートに帰って、ギターの一つも弾きながら友人知人とどうでもいい話をする。
こういう、どこか浮世離れした生活って、私だけじゃなく、多くの人にとって一度は憧れたことのある生活だと思うんです。
でも、憧れと現実は違いますよね。
どんなに憧れたって、タカダワタル的人生はタカダワタルという才能の上に成り立っているんです。
タカダワタル的生活の真似事をたった1週間でも続けようものなら、自分の生活なんてぼろぼろになってしまう。
そういうことは骨身にしみてわかっています。
憧れちゃいけない、羨ましがっちゃいけない、それはわかっているんです。
だけど、それでも憧れてしまう…
「タカダワタル的」、そんな名前の毒にとことんまで付き合って、空になるまで飲み干す、私のようなタイプの人間にそういう決心はきっと生涯できないと思います…