トニー滝谷
監督:市川準
出演:イッセー尾形、宮沢りえ、西島秀俊
時間:1h16
公開当時、近所のミニシアターで観てきました。
地方都市の映画文化は衰退の一途をたどっているので、私が通っているミニシアターも不断はそれほど客が入っていないんですが、本作を観に行ったとき、なぜか、劇場の前にものすごく長い行列ができていて、スタッフが汗をカキカキ人をさばいていました。
行列に不審を抱きながら劇場内に入ると、何とその日、本作に出演しているイッセー尾形の舞台挨拶がありました。
それまで、芸能人といえば林家木久蔵(今は木久翁ですね)しか見たことなかったんですけど、人生二人目の芸能人遭遇がイッセー尾形でした。
テレビで見てても細身の印象を受けますが、生イッセーはメチャメチャ細いですよ。
ていうか、もう、細すぎてちょっと気持ち悪かったです…
体も手足もヒョロッとしているのに頭だけ妙に大きくて、その上、背が低いもんだから、なんか、捕らえられた宇宙人みたいでした。
さて、映画の内容についてですが、これって、原作は村上春樹の小説ですよね。
ですから、村上春樹ファンの方々にとっては「やっぱ小説!!」みたいな思いのある映画なのかもしれませんが、個人的には、小説版よりも映画版の方が圧倒的に良かったですね。
特に、小道具によるトニー滝谷の性格表現がすごく良かったですね。
主役のトニー滝谷がたった一人なのにもかかわらず、サラダボールにきれいに野菜を盛り付けて食べるシーンや、冷奴などのおかずを一品一品きちんと小鉢に盛り付けて食卓に並べているシーンなどは、トニー滝谷の性格を無言で表現したシーンとして凄く良かったですね。
このように、個々のシーンでみるとなかなかいい感じのシーンが結構あるんですが、映画全体でみると、結局は、映画の力じゃなくて、宮沢りえの魅力で引っ張った映画なのかなぁという感じがしますね。
もちろん、それは宮沢りえという女優さんが凄く魅力的な女優さんであるということで、とてもいいことだとは思うのですが、何となくそれ以外の部分がちょっと物足りなかったですね。
村上春樹に独特のプラスティック感は映画版でも十分に再現できていましたし、神経細やかに作ってある作品だと思うんですが、なんか、全体的にパワー不足というか、印象に残りづらいパンチのない作品でしたね。