厨房で逢いましょう
監督:ミヒャエル・ホーフマン
出演:ヨーゼフ・オステンドルフ、シャルロット・ロシュ、デヴィット・シュトリーゾフ
時間:1h38

 近所のミニシアターで見てきました。
 これねぇ…、どうなんでしょう……
 映画の柱を料理に置いてみるか恋愛に置いてみるかによって、評価がバックリ別れる映画だと思いますね。
 私は料理メインの映画だと思ってみていたんですけど、そういう見方をした場合、この映画はちょっと厳しいです。
 ていうか、もう、料理にまつわる一挙手一投足すべてが小汚いんですよ。
 映画の冒頭、いきなり主人公の太ったシェフが食材を体中になすりつけながら料理をしてるんです。
 これだけでも、食欲という意味ではかなり萎えるんですが、これに加えて、このシェフ、幼い頃に自分の父親が可愛がっていた犬を料理して父親に食わせたりしてるんですよね。
 こういう描写って、映画を作っている側はこのシェフの才能や料理に対する愛着を示すものとして取り入れているんでしょうけど、みているこちら側としては、小汚さとグロさのあわせ技以外の何ものでもありません。
 個人的に、美味しい料理を作るっていうと、やっぱり、こう、シュッとした板前さんあたりが、スッスッと魚をさばいていくみたいなイメージがあるんですけど、この映画の中で展開されている料理は「シュッ」とか「スッスッ」といった擬音語(擬態語か?)とは程遠いですね。
 若いて表せば、「グチョッ」とか「ベチャッ」とか、そんな感じです。
 それに、この映画って、料理を食べる側の人たちもものすごく動物的な食べ方をするんですよね。
 皿のソースを指ですくい取ったり、皿自体をなめたり…
 料理の美味しさや、ものを食べるっていう行為の原始性などを表現しているんでしょうけど、はっきりいって「汚い」だけです。
 やっぱり、良くも悪くもドイツ映画なんですよ。
 とにかく、どこかしらに「グロ」の要素を入れ込まないと気がすまないというか…
 「きれいに」とは言いませんけど、もう少し清潔感のある感じで料理を描写して欲しかったですね。
 まぁ、もちろん、映画の内容が内容ですから、この手の描写のやり方には、食欲と性欲との対比とかそういう意味も込められているんでしょうけど、それを考慮したとしても汚いですね。
 ただ、料理をメインにすえるのではなく、劇中に描かれる恋愛の部分を中心に添えてみた場合には、この映画はそこそこ完成度の高い出来だと思います。
 「エデン(楽園)」という名前を持つ無邪気な女性が、その無邪気さゆえに、悲劇を呼び込んでしまうという形式ですから、単純な「好き嫌い」とは一味も二味も違った「人間の業」のようなものをみせつけられる作品に仕上がっています。
 でもねぇ…、恋愛映画としての完成度の高さを考慮したとしても、やはり、料理の部分の不潔感がすべてを凌駕してしまってますから、個人的にはあまり好きになれませんでした。

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