ヨコハマメリー
監督:中村高寛
出演:永登元次郎、五大路子、杉山義法、清水節子、広岡敬一
時間:1h32

 今までもドキュメンタリー映画はちょくちょく見てきましたが、本作は間違いなく、歴代No.1の作品です。
 もう、何がすごいって、この映画の題材になっている「メリーさん」という人がすごいです。私はこれまで横浜という街に行ったことがありませんし、メリーさんという人のこともこの映画ではじめて知りました。そんな私が言うのもなんですが、このメリーさんという人は「メリー」という存在をとことんまで演じきった人のように思います。
 戦後の混乱期に顔面を真っ白に塗って、貴族のようなフリフリのドレスをまとってGI専門の娼婦として街角に立って以来50年間(!!)横浜の街に立ち続ける。
 文章として書いてしまえばたった数行で終わることですが、その数行の文章が伝える事実の中に含まれているものは、決して言葉では表せないものでしょう(もしかしたらメリーさん自信はものすごくあっさりと、簡潔な言葉で表すことができるのかもしれませんが、少なくとも、この映画を見ている我々にとっては、メリーさんの人生をあらわす適切な言葉は存在しないように思います)。
 ネタバレになるかもしれませんが、この映画の最後に現在のメリーさんが出てきます。今は、故郷で、本名のまま静かに暮らしているそうですが、その全身から発散される高貴なオーラには圧倒されるものがありました。
 ドキュメンタリー映画を見て、涙が出そうになったのはこの映画が初めてでした。

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