今回は,このコーナーであつかう70年代後半の地元撮影についてふり返ってみます。

当時の私(中学生)の撮影日記っぽく,まとめてみます。

*列車のダイヤや番号は78年3月のものです

 この頃の地元撮影



昼食をすませ,「汽車の写真ばかり撮って,受験は大丈夫なの?」という,家族の言葉を背中で聞いて,駅まで
行き,いつもの833Dに乗る。この列車は佐世保を14:18に出て諫早に15:55着くのだが,その頃はこちらも
回4002レの通過で,撮影のピークを迎えている。今日のDD51は何番だろうか...。

日宇で降りて,早岐まで歩くか,大塔まで乗るか迷ったが,今日は大塔コースにする。

日宇で3分ほど停車し,下りみどり3号をやり過ごす。小倉を11:25に出て3時間の長旅,ご苦労様である。

シャッターを押した感じもまずまずである,今日の収穫が期待される。

上2枚 : 佐世保〜日宇+日宇  77 10.10


77年X月(土) 晴れ


今日は朝から天気が良く,明日まで持ちそうである。

授業中にぼんやりながめる外の景色も良く,教室から見える
松浦線の車両も自分を呼んでいるようである。

午後からいつものパターンで撮影に行くかどうか悩んでいたが
土曜日の下校中にいつも出会う,松浦線の貨物を見て,行く
事に決めた。

それにしても,今日もこのお昼前後の下り貨物は荷物0である。
一昨年の長期スト以来,荷物は減りっぱなしである。そのうち
廃止されそうなので,これも撮影しておかなければ...。


左 : 北佐世保〜中佐世保 77.10月

14:32,大塔で降りる。観光シーズンの今日は上り弓張51号が運行している。カメラの準備をしていると踏切が
鳴り始め,大塔での1枚目とする。時計を見ると14:37,次は429レである。臨時急行が1本だけ走る割には忙
しい。この429レは早岐→佐世保の短区間客レで,事実上は佐世保発16:00の鳥栖行き432レの回送列車で
あるが,この時間帯では貴重である。
429レは,日宇で上りみどり4号と交換するので,こちらも通過を待ちかまえる。

左:弓張り51号 大塔 77 10.10   右:429レ 大塔〜日宇 77 5.18

上りみどり4号が通過しても,ゆっくりはしていられない。早岐で上りと下りの4号が停車を利用して交換するので
下り通過に備えて待機する。早岐→佐世保の下りみどりは,午後にボンネット順光になるので気合いを入れる。

下りみどり4号が佐世保に着くと,同時に大村線長崎行き835Dが発車するので,ボジション等を決める。
この835Dはキハ17などの系列で統一されていることが多く,スッキリと写ってくれる。

左:早岐〜大塔 78 3.29     右::早岐〜大塔 77 10.10


15:46頃,回4002レが通過していく。今日の撮影も,またこの列車でヤマ場を迎えた。

回4022レは日宇で急行西九州と交換するので,上り西九州に備える。
西九州が通過すると,鳥栖行き432レがやってくる。なかなか忙しい。

左:早岐〜大塔 77 10.10   右:佐世保  76 8.26 (左2番線:432レ 右1番線:回4002レ)



西九州が通過する。外観は弓張と変わらないので,あまり新鮮みはない。
早岐で西九州と交換した松浦線経由,博多行き平戸も通過していく。自宅近辺の松浦線で見かける平戸は堂々と
しているが,佐世保線ではグリーン帯のない分,何か印象が薄い。

日宇で平戸と432レが交換するので,ポジションなどねらいを定める。


左:日宇 77 8.19 (急行平戸と432レ)   右:大塔 77 5.18





432レが早岐に到着し,機回しをする頃には佐世保ではさくらが機回しを終え,出発するばかりである。
佐世保線の一番華やぐ時間帯である。乗車に関係のない自分も少し気持ちが浮きだつ。

左:大塔〜早岐 77 10.10   右:日宇〜大塔  78 10.15

さくらが通過し陽が傾き始めると,博多行きみどり5号が通過し,折り返し早岐から回4042レ(回送あかつき
1号)がやってくる。さあ,後は貨物列車を待つのみである。

左:大塔 77 5.18   右:日宇 77 8.19 (回送あかつき1号)

そして,この2つの貨物列車が来る頃には陽も露出ギリギリまで陰り,何とか最後のショットを決めて帰り支度をする。
早岐では後部補機を付けた貨1493レが到着している頃であろう。

838D(諫早→佐世保17:41)から662D(松浦線 有田行き 佐世保17:55発)へ乗り換えする頃には,陽も暮れ
てしまい,短いようで長かった午後の撮影の疲れを感じる。

左:大塔 76 10.10 (貨494レ 佐世保→久保田)   右:三河内〜早岐  77 10.10(貨1493レ 鳥栖→早岐)

上の写真は,19:45の発車に備えて松浦線寄りで待機する博多行のみどり6号です。当時はこれが最終みどりでした。
また,みどりの右横に待機するのは0:30発門司港行「ながさき」号です。写真には写っていませんが,ふり返ると2番
線には,4042レ新大阪行あかつき1号が発車しようとしていました。

撮影が終わり,いつも帰りの松浦線662Dから眺めていた光景です。帰りの列車に揺られながら,当時の私は何か
いろいろなことを感じたり考えたりしていたのでしょうか,今ふり返ると,恥ずかしいような懐かしいような感じです。  (了)