東呉酒乱記 IN ???
ついにアナザーワールドに?
なにかあるごとに宴会しちゃう呉の家臣たちでした。


ここは東呉。
先だって、周瑜が病のために逝去したことに孫権は大変なショックを受けていた・・・

張昭:殿は相変わらずか?
魯粛:ええ・・・毎日遠くを見つめてため息ついてますよ・・・
虞翻:困ったもんですねえ・・・
諸葛瑾:ここはひとつ、酒宴でもひらいて殿をお慰めしましょうか!
張昭:おお!それはナイスアイデアじゃ!


そんなワケで、またまた東呉では宴会が開かれることになった。

朱然:殿、なんか呪文のよーなものをブツブツと呟いてましたが・・・だ、大丈夫でしょーか?
潘璋:呪文?なんだそりゃ?
朱然:・・・ほら、あれだ。
そこへ孫権がなにやらぼーっと歩いてきた。

孫権:エロイムエッサイムエロイムエッサイム・・・

張昭:あ、あ、あれは!!
朱然:な、なんですかっ?知ってるんですかっ?
張昭:魔界転生・・・・!?
張紘:キャーーーッ!ジュリーーっ!!
朱然:は??ジュ・・・何ですって?
張紘:わからんのか、この未熟者め!(ゴツン!)
朱然:いてっ!だって〜わかんないもんはわかんないですよ〜んで、なんなんですか、あの呪文は?
張昭:あれはな・・・死者を蘇らせる呪文なんじゃ。
朱然:え・・・すると・・
朱桓:ひぃぃぃぃ!!おばけこわーーーーーいっ!!あ、あくまくーーん!
潘璋:うるせーーっ!
朱然:朱桓がうるさいので退場させますね・・・
朱然は朱桓をひっぱって広間を出た。

魯粛:む・・・殿の足取りがどうも怪しいですな。
虞翻:あれは・・・!!
魯粛:仲翔殿、おわかりか?
虞翻:いんや、ぜ〜んぜん。
魯粛:(ドテッ)
潘璋:コントかよ!

孫権は実は、魔方陣を描いて歩いていたのである。

そこへ、いつもの呉将たちがガヤガヤと入ってきた。

甘寧:ひさしぶりだな、宴会。
董襲:ですなあ。
陸遜:今日は殿をお慰めする会ですからね。ぱーっと明るくいきましょう。
呂蒙:そうだな。今日は無礼講でいこうか。
凌統:今日も、のマチガイでしょ・・・。
呂蒙:え〜それで、だ。殿を慰めるために、皆一芸を披露しようではないか。
凌統:えーーーっ!
徐盛:某、無芸です・・・。
陳武:同じく・・・。
甘寧:うるさいな!んじゃおまえらは酒の飲み比べだ!
陸遜:では私は詩吟でも・・・
甘寧:お!エロ詩吟か!?
陸遜:違いますよっ!

周泰:大丈夫だろうか、殿・・・。
蒋欽:ここんとこふさぎがちだったからな。
周泰:ずーん・・・
蒋欽:そんなに心配か?おまえまで落ち込むことないだろう?
周泰:いや、周公瑾がそんなに好きだったのかと・・・
蒋欽:そっちかよ!
周泰:重大な問題だ!
蒋欽:だってもう死んじまってるんだからさ・・・
周泰:そうなんだ。だから喜んだものかどうしたものか・・・
蒋欽:おまえ、そんな不遜なことを言ったら化けてでてくるぞ?
周泰:えっ?!化けて・・・?(((゜д゜;)))ガクブル
蒋欽:ジョーダンだ。本気にすんなよ・・・

そのとき、宴会場の真ん中で魔方陣を描いていた孫権に異変が起こった。

孫権:ぅわぁぁぁっ!!
周泰:と、殿っ!?

魔法陣の中に閃光が走り、稲妻が落ちたような衝撃があり、あたりは霧のような煙に包まれた。

陸遜:ゲホッ、な、なんだこの煙…
甘寧:な、何が起こった…?
呂蒙:殿っ!大丈夫ですかーっ?
凌統:衛兵!水もってこーーい!煙を払えっ!

兵たちがゲホゲホしながら煙を払ったので、ようやく視界がクリアになってきた。

そして、魔方陣の中央に見えたものがあった。

甘寧:・・・えーっと・・・
甘寧が目をゴシゴシとこすった。
陸遜:興覇殿・・・私は目がおかしくなったんでしょうか・・・あそこに・・・幻が見える気がするんですが・・・
甘寧:お、おう・・・気が合うな・・・俺もそんな気がするぜ・・・

孫権:こ・・・こーーきーーん!!

周泰:な、なにっ!?
蒋欽:う・・・嘘だろ・・・

魔方陣の中に立つ人影-
それはまぎれもなく、白銀の鎧に身を包んだ周瑜公瑾、その人であった。

張昭:ま、魔界転生じゃぁーーーっ!!
朱然:ま、まさか本当に蘇ったのか?
朱桓:きゃーーーーっ!!
朱然:うお!朱桓、おまえ、いつのまに戻ってきたっ!?
朱桓:お化けーーーーーっ!
魯粛:バカ、お化けとはなんだ!あれは公瑾だぞ?
諸葛瑾:だからお化けなんでしょーがっ!
張紘:いや、よく見ろ・・・公瑾の隣に・・・

呂蒙:あ、あれは・・・っ!

魔方陣の中に現れたのはたしかに周瑜であったが。

周瑜:・・・ここは一体、どこだ・・・?伯符、無事か?
孫策:ああ。ゲホッ、一体なんだ、こりゃ・・・

周瑜の隣に立っていたのは、孫権の兄、孫策その人であった。

孫権:な・・・なんで兄上が・・・?

呂蒙:との・・・殿ーーーっ!

呂蒙は孫策の前に参じ、膝を折った。

孫策:ん?おまえ・・・もしかして子明か?
呂蒙:は、はいっ!どのような手妻でか知りませぬが、またこのようにお会いできるとは・・・!感激ですっ!
孫権:あ、兄上ーっ!

孫権は孫策の前に駆け寄った。

孫策:おまえ、権か!?
孫権:はいっ!私ですぅ!
孫策:・・・おまえたち、いつのまにそんなにフケたんだ?
孫権:兄上が・・・昔のままなんです。
周瑜:おい、伯符。なんだか変だぞ。
孫権:こ、こうきん・・・若い・・・!キレイだ・・・!
孫策:何いってんだ、今更。
孫権:あ、兄上、今おいくつで?
孫策:はぁ?俺は24だが。兄の年も忘れたか?
孫権:ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!!・・・と、年下・・・。

そこへ二張もやってきて、再会を喜び、さめざめと泣き始めた。

事情を孫権から聞くと、孫策は面白そうに言った。

孫策:・・・ってことは、今俺は未来に来てるってことだな?あれ?まてよ、未来の俺はどうしてんだ?

その場にいた全員が凍りついた。
まさか死んでるとは言えない。

孫権:さ・・・さあ・・・あは、あはは・・・あれ?どうしたんだっけか?子明?
呂蒙:げっ・・(俺に振るなよーーっ)さ、さあ・・・俺もよくは・・・な?りょ、凌統?
凌統:ちょっ!俺!?いやいやいや!甘寧、タッチ!
甘寧:ぅおい!!押し付けんなーっ!
魯粛:殿。ここはもういっそごまかさずに正直に言ってしまいましょうよ。
孫権:い、いやだ、そんな残酷なことっ!

周瑜:伯符、未来のことは知らぬ方がよいと思うぞ。
孫策:そうか・・・そうだな。知ってしまったら楽しみがなくなるかもしれんしな。

孫権:(ほっ)
呂蒙:き、今日ほど殿のおおざっぱな性格がありがたいと思ったことはない…
張昭:これっ!子明、おおざっぱとはなんじゃ!器が大きいと言いなさい。

周瑜:それにしても解せぬ。私たちはなぜここにいるのだ。
孫策:なにかの術か?術者がいるのか?
孫権:・・・私が呼んだのです、兄上。(正直言うと公瑾だけでよかったんだけど)
孫策:なんだ、俺に会いたかったのか・・・
周瑜:・・・・
孫策:そうか、そういうことになっているのか・・・

陸遜:・・・どうやら気付かれてしまったようですね。
甘寧:あん?
陸遜:殿が兄上に会いたくて呼び出したということは、今この世界に兄上、つまり孫策殿がいらっしゃらないということになります。
甘寧:・・・あ。そうか・・・。
呂蒙:・・・殿・・・・。

孫権:あ、兄上、そ、そういうつもりでは・・・
孫策:ま、いいか。気にするな。今後俺がどういう生き方をするのかなんざ、知りたくないからな。
周瑜:フッ。まあ、そういうことだな。

呂蒙:き、今日ほど殿のおおざっぱな性格がありがたいと思ったことはない…
張昭:これっ!子明、おおざっぱとはなんじゃ!器が大きいと言いなさい。

甘寧:・・・おまえら、それコピペだってバレるじゃねーか、やめろ!
陸遜:興覇殿、それをいっちゃあいけませんてば・・・

周泰:むむむ・・・
蒋欽:どした?
周泰:周公瑾が若い・・・
蒋欽:殿が過去から呼び出したってんだから、まあ、そうだよな。
周泰:不公平だ・・・
蒋欽:何が?
周泰:だって!あれじゃあ、また殿が公瑾に!ああ〜〜殿〜〜!
蒋欽:・・・おまえ、重症だな・・・

孫権:と、とにかく、今ここでは宴をやっていたんです。兄上も公瑾も、どうぞ楽しんで行ってください。
呂蒙:そ、そうですよ!どうぞ、こちらへ!
張昭:むっ、それなら孫策殿の隣は儂が!
張紘:儂もっ!
孫権:いや、ちょっと二張、そこ俺が座るんですけど・・・
呂蒙:お、俺もお傍に・・・
虞翻:ちょっと、私を差し置いてそんな。

孫策の隣席をめぐっての攻防がまさに勃発しようとしていた。

孫策:あーー、おまえらうるさい!そんなに言うなら俺の周りにぐるっと集まったらどうだ。
孫権:さすが兄上!おい、皆集まれ!

そんなわけで孫策、周瑜を囲んでの宴会がまた始まった。
楽隊が演奏を始める。


周瑜:私たちは戦を終えて帰路についていたはずだった。
呂蒙:それで鎧姿なんですね。
孫策:俺はそれで手柄をたてて呉候に封じられたんだ。
張昭:そうそう、そうでしたな。お若いのに大したものです。

陸遜:噂には聞いてましたが、孫策殿って男前ですね。
董襲:ですなあ。
朱然:殿とはあまり似てませんね。
周泰:・・・おい!朱然、それはどういう意味だ。
朱然:ええ?意味ってそんな・・・
周泰:殿は殿で男前なのだ。ヘンなこと言うな。
蒋欽:義封、悪いな。こいつ殿のことになるとわけわかんなくなっちまうんで。
朱然:はあ・・・
朱桓:・・・・
蒋欽:なんだ、朱桓はまだ泡吹いてぶっ倒れてンのか。
朱然:起きたらうるさいんでこのままにしときましょう。

甘寧:・・・にしても若いよな、二人とも。
凌統:この中で一番若いのかな。
魯粛:私が知り合った頃の公瑾ですなあ・・・なつかしい。
潘璋:この頃会ってたなんてうらやましい。
魯粛:あ?
潘璋:あ、いえなんでもないです。
甘寧:なあ、このままあの二人がうちの陣営に加わるようなことになったらさ、どうなるんだ?
凌統:どうなるって・・・
魯粛:孫策殿が頭領になるのでしょうかねえ・・・
凌統:そんな!
諸葛瑾:それでは今の臣下たちは納得しかねますよ。
魯粛:いらぬ争いにならねば良いのですが・・・
諸葛瑾:問題は、孫策殿を呼んだのが殿だということですよ。
甘寧:見てる限り、立場は歴然だな。

甘寧の言うとおり、孫策を中心に臣下たちが取り巻いている。
孫権はその臣下の一人になったかのようである。

魯粛:殿がそれでよいとおっしゃるのならば仕方ないですがねえ・・・
甘寧:俺はむしろ孫策殿が先陣に立って曹操や劉備を蹴散らしてくれたらいいと思うけどなあ。
凌統:殿にはそのままでいてほしいんだが・・・
潘璋:このままでは新旧の臣下が別れて争うことになるかもしれんな。
諸葛瑾:ううむ・・・なんとか、あのお二人に元いたところへ戻っていただく方法はないものか・・
甘寧:殿が呼び出したんだから、殿に帰してもらうってのが筋だろ?
凌統:せっかく呼び出したものを簡単に帰すかな。
諸葛瑾:少なくとも周公瑾だけは残したいんでしょうな・・・
魯粛:若いし。
潘璋:綺麗だし。
甘寧:・・・・
魯粛:ごほん、ともかく、殿に相談してきましょう。


陸遜:あ、大変なことに気付いてしまいました。
孫権:なんだ?
陸遜:あのお二方が本当に過去からこられたのだというのなら、このままここに留まっておられると歴史が変わってしまいます。
孫権:な、なにっ?
陸遜:つまり、過去のお二人が突然いなくなったことになり・・・呉を平定することができなくなる、と。
孫権:と?
陸遜:現在の我々もここに存在していなくなると・・・
孫権:な、なにーーっ?
陸遜:ついでに言うとあのお二方も消えてしまうでしょう。
孫権:そ、そうなるのかっ?
虞翻:ぐほんっ!
孫権:ダジャレ言ってる場合かっ!
陸遜:そういうわけだから、元いたところへ戻っていただかねばなりません。
孫権:ど、どうやって?
陸遜:・・・・
虞翻:殿が呼び出したんでしょ?
孫権:うん
虞翻:なら帰せるんじゃないですか?
孫権:戻し方は知らん。
虞翻:・・・・


孫策:なあ、公瑾
周瑜:なんだ?
孫策:そろそろ帰らないか?
周瑜:・・・いいのか?
孫策:ああ、俺はともかく、あいつらの顔をこんな未来で見れたんだ。安心した。
周瑜:そうだな。新しい臣下もいるようだし。
孫策:この未来では俺とおまえはもういないみたいだな。
周瑜:・・・ああ。できるならば君と一緒に死にたいものだ。いや、私のほうが先かな?
孫策:いいや、おまえは底意地が悪いから俺よりは長生きするだろうよ。
周瑜:ひどい言われようだな。美人薄命という言葉を知らないのか?
孫策:ハッ!自分で言うなって。俺はおまえの葬式出すのは嫌だからな!
周瑜:それはこっちの科白だ。だいたい君は・・・

孫権:兄上たち・・・そんな話題でいちゃつかないでください・・・

孫策・周瑜:だれがいちゃついてるって!?(といいつつ手を握り合っている)

孫権:し、失礼しました・・・ところであの、宴もたけなわではありますがそろそろ・・・
孫策:ああ、そろそろいとましようと思っていた。戻してくれるんだろう?
孫権:そ、それが・・・その・・・
孫策:できないのか?

孫権はこくん、と頷いた。

周瑜:しかし、呼び出したのは仲謀殿でしょう?それと同じことをやってみては?
陸遜:あ!それです。呼び出したときと逆まわりにやってみてはどうでしょう?
孫権:試しにやってみるか・・・しかしその前に・・・
陸遜:?
孫権:兄上・・こ、公瑾を、俺にくださいっ!
陸遜:ええーーーっ?
魯粛:ちょっ!
朱然:ぶはっ!
孫権:必ず幸せにしますっ!
甘寧:プロポーズかよっ!

あっけにとられる一同。
しかし意外に冷静なのは当の本人たちであった。

周瑜:・・・伯符、なんとかいってくれ。
孫策:仲謀・・・気持ちはわかるが
孫権:兄上っ!
孫策:公瑾は俺のだ。

甘寧:・・・このバカ兄弟・・・
陸遜:あれは天然ですね・・・

孫策:だからダメだ。あきらめろ。
孫権:そんなーーっ!やだやだやだやだやだーっ
孫策:聞き分けろ。おまえは周泰で我慢しとけ。
孫権:イヤだ〜〜!公瑾がいいーーーっ!

周泰:ガ━━ΣΣ(゚Д゚;)━━ン!!
蒋欽:はは・・・は・・・き、気にするな・・・

孫策:ダメだダメだダメだダメだったらダメだ!
孫権:ちょーだいちょーだいちょーだい!
孫策:やらんやらんやらん!

魯粛:なんかもうどうでもよくなってきましたね・・・
諸葛瑾:緊張感のカケラもないですね。

周瑜:ごほん、二人とも、もうそれくらいにしたまえ。
孫策・孫権:今大事な話しをしてるんだ、口を出すな!

この言い草に、周瑜はプチッと切れた。
突然、剣を抜いて二人の間に振り下ろした。

孫権:ひゃあっ!
孫策:うお!あ、あぶねええっ!

周瑜:ほほう・・・大事な、ねえ。本人を前にして他にどんな大事なのかな?

静かに怒りをあらわす周瑜のオーラを二人は感じ取ったようで、おとなしくなった。

周瑜:仲謀殿、そういうわけなので伯符がいるうちはダメなんですよ。
孫策:俺がいるうち、ってなんだ。おまえは浮気妻か!
周瑜:もう、そういう意味じゃないって!
孫策:じゃあどういう意味だ!
周瑜:仲謀殿を説得するための方便だって。
孫策:なんだ・・・ドキドキしちゃったじゃないか。
周瑜:フフッ

孫権:うう・・・・またいちゃついてる・・・わ、わかった・・・(しくしく)兄上、諦めます・・・

周泰:殿ーーーっ!わ、私が殿を幸せにしますからっ!
孫権:うぅ、周泰・・・ぃ
周泰:殿〜〜〜ぅ(キラキラッ)

魯粛:そういうわけで、殿、お願いします

孫権:あ、はい。

今まさに孫権を受け止めようとしていた周泰は、魯粛に邪魔されて憤怒の表情になった。
周泰:魯子敬〜〜〜!(ギラギラッ)

孫権:ではお二人とも、ここに立って。始めますよ。

そう言って孫策と周瑜の周りを、また例の呪文を唱えながら、先ほどとは逆周りに歩み始めた。

呂蒙:殿・・・
張昭:ううぅ・・・
張紘:うぅぅぅぅぅぅ・・・

突然、煙が立ちこめ始めた。


潘璋:ゲホゲホ
陸遜:な、何も見えませんね・・・
甘寧:おーい!どうなってんだ?
朱桓:ゲホゲホ・・・な、なんですか、これ・・・
朱然:いや、まあいろいろあって・・・

やがて煙が消え去ると・・・

孫権:・・・・!
周泰:そ、そんな・・・!
蒋欽:嘘だろ・・・

先ほどまで孫策と周瑜が立っていた場所に、今度はもう少し小さめの人影があった。

孫権:こ・・・こーーーきぃぃん!!

周瑜:ケホッ・・・

それはまだ少年の周瑜らしかった。

孫権はまた駆け寄った。

甘寧:げ・・・さ、さらに若くなってやがる・・・
朱桓:きゃーーーっ!お化けぇぇぇぇぇーーー!
潘璋:うるせーーっ!
朱然:う、うるさいので退場させますね・・・

孫権:公瑾なのか?そうなのか?今いくつだ?
周瑜:え・・・?あなた、どなたですか?
孫権:お、俺か?俺は孫仲謀だ。
周瑜:・・・・からかってるんですか。
孫権:へ?
周瑜:孫仲謀というのは私の親友の弟で、まだ7歳ですよ。それとも孫家の縁の方ですか?
孫権:・・・ということは14歳の公瑾か・・・(か、かわいい・・・)
諸葛瑾:どういうことなんですか?
孫権:・・・・
虞翻:殿、まさか先ほどのお二人を帰すとき、せめて公瑾だけは残してくれ!とでも思いながらやってたんじゃないでしょうね。
孫権:ぎくっ!
諸葛瑾:だからって、なんで若返ってんです?
虞翻:さっきの公瑾が若くて綺麗だったから、もっと若い頃を見てみたい、な〜〜んて思ったんとちがいますか?
孫権:ぎくぎくっ!
周瑜:ここはどこなんです?あなたがたは?
呂蒙:うわ〜〜かわいい・・・人形みたいだ・・・

いつのまにか周瑜少年のまわりに人垣が出来ている。

甘寧:へえ〜これがあの周瑜殿の少年時代か。
陸遜:かわいいですね。
魯粛:かわいい・・・つれて帰りたい・・・
甘寧:は?
凌統:魯粛殿、そんな趣味が・・・(ヒソヒソ
董襲:ヒソヒソ

孫権;やらんぞっ!今度こそ、この公瑾は俺のものだっ!
周泰:と、殿っ・・・!そんなぁ・・・っ
蒋欽:気持ちはわからんでもない・・
周泰:おまえ!この裏切り者っ!

陸遜:殿、それでもやっぱり元の時代に戻さないと、歴史が変わってしまいますから。
孫権:どうしても?
陸遜:どうしても。
孫権:上位官職やるから見逃してくれない?
陸遜:ダメです。
孫権:う〜〜ん・・・どうしたものか・・・
陸遜:いや、どうするもこうするもないですから。
孫権:え〜〜

周瑜:あの、どうかもう帰してくれませんか。母が心配するので・・・
孫権:はぅっ!

美少年の愛らしい懇願に、孫権が勝てるはずはない。

結局、その後、あと2回も年齢の違う周瑜を呼び出して陸遜にたしなめられるのであった。

END


















魯粛:・・・で、どの公瑾が良かったんです?
孫権:難しいことを聞くな。
諸葛瑾:私はやっぱり17歳の公瑾が初々しくて・・・
孫権:おまえがいうといやらしく聞こえるな。
諸葛瑾:なっ!!
魯粛:私はやっぱり14歳の公瑾が。
孫権:だな〜、あれは良かった!しかし10歳のも良かったよな。

凌統:やっぱりあの趣味が・・(ヒソヒソ
潘璋:ヒソヒソ・・・



再びEND