社長・孫伯符シリーズ 前話      

 

東呉商事ー
江東にある最大の商社である。
江東・江南各地にある支社をあわせると社員は数十万と言われている。その家族をいれると百万以上になる。

そして、その頂点にたつのは社長である孫策伯符。若干24歳の若者である。
創始者である父親の孫堅文台は勇退し、今は会長職についている。
孫堅の妻である呉夫人は顧問として名を連ねていた。

本社は呉都、地下3階、地上40階建ての超高層ビルである。

社長室ー
最上階にある。社長室といっても主に会議の議事を取ったり、スケジュール調整を行ったりする秘書がたむろする場所である。
 
この最上階までは地下の駐車場からノンストップの高速エレベータが直通でくる。
孫策はいつも愛車ベンツで出勤し、このエレベータで社長室に出勤してくる。

「おはようございます」
孫策を出迎えたのは専務の張昭、常務の張紘である。彼らはいつもセットでいるので二張と呼ばれている。

「おはようございます、社長」
明るい声でハモるように声を出したのは秘書の大喬と小喬である。

「おはよう」
彼らに挨拶を返して社長室の奥の自分の部屋へと足早に歩いていく。

扉を開けて中に足を踏み入れると、アクアブルーのタイトスカートスーツに身を包んだ後姿が目に入った。
「おはよう、公瑾」
孫策はその背中に声をかけた。
ゆっくりと振り返るその白皙の美貌は少し微笑んでいた。
「おはようございます、社長」

「今日も綺麗だな」
孫策は臆面もなく言う。
周瑜公瑾、孫策の筆頭秘書であり、経営戦略室の室長でもある。
一部では彼女がいないと孫策は仕事をしないと言われている。
「そうでしょう?このバラ、ちょっと変わったピンクだと思いませんか?」
わかっていて言っているのかどうなのかわからないが、孫策のことばを、彼女はテーブルの上にいけている花瓶の花のことだと思ったらしい。
孫策は苦笑して、周瑜の前にまわり、自分の机にむかった。
「そうだな。花も綺麗だが、お前の方が綺麗だよ」

・・・とまあ、毎朝こんな風に孫策の一日は始まる。

話を始める前に少しだけこの会社の説明をしておこう。

経営戦略室ー
いま紹介した周瑜が室長を務める経営戦略室は38階にあり、常に会議が開かれるときにはこの部署の誰かが参加することになっている。
商品の販売方法や時期など会社の利益に直結するもののスケジュールや企画を立てる部署である。
副室長に魯粛子敬がいる。
 

商品企画室ー
東呉商事の心臓部ともいえる大切な部署である。
あらゆる商品はここから生まれている。
企画室の室長には若いながらもその柔軟な発想でいくつものヒット商品を出してきた陸遜伯言が着任している。
 
 

経理部ー
東呉商事の経理部はビルの5階にある。
東呉商事のいわゆる金庫番であり、会社の地下3階には巨大な金庫がある。
部長は呂範子衡といい、孫策の代になってからリクルートしてきた中堅どころである。
 

営業部ー
東呉商事でもっとも人数の多い部署である。
第一営業部から二十まである。
営業本部長である程普徳謀は彼らをまとめる重鎮である。
ちなみに10階から20階までが営業部である。
営業部は体育会系で、気の荒い連中が揃っている。

総務部ー
総務部は2階と3階にあり、社員の出入りが多いため、入り口が異常に広い。
毎年の社員旅行や忘年会のシーズンになると殺人的な忙しさになる。
総務部長は孫静幼台、会長である孫堅の実の弟であり、取締役も兼務している。
課長は諸葛瑾子瑜で、物腰の柔らかいので人望を集めている。
 

人事部ー
4階にある。
人事部長は顧雍元歎という男で、無口で真面目な人物である。人事に関するの秘密事項を守るにはもってこいの人物といえた。
 
 

SP
いわゆるガードマンである。
一階に警備室があり、受付を済ませた者の出入りを入念にチェックする。
社長直属の警備は太史慈子義が担当している。他に陳武などがいる。

とまあ、こんな具合である。


以下、続きます。
某所で書いていたものを再構成しました。
主要人物は書いておきましたがどの人がどの部署にいたらおもしろいでしょうね?
そして周瑜のように何人か性別が代って登場する人もいます。
ご意見をお聞かせ下さいね。