ご結婚おめでとうございますSSS
胸は子供、図体は大人! その名は
迷探偵アキハ
ファイル873
「弓塚さつき殺人事件」
written by AAA
「被害者は弓塚さつき、十六歳、死亡推定時刻は十月二日夜二時から三時の間、凶器はわかりません、猛獣に殺されたような跡がありますが、それ以上は・・・・・・」
乾 有彦はすまなそうな表情で、上司に報告した。
「手がかりは、『混沌』とかかれた血痕だけか。わかった、容疑者をこっちに引っ張って来い」
白髪の上司シキが、いらだたしげにはき捨てる。
「は、はい!」
有彦は急いで、容疑者の居る別室に行った。
数分後、六人の容疑者がシキの前にやってきた。
容疑者1、遠野志貴
証言
「俺は、その時間部屋で寝てたんだ。翡翠と琥珀さんが一時間後とに見回りをやってるはずだから、確認はできるんじゃないかなぁ」
容疑者2、アルクェイド=ブリュンシュタッド
証言
「えー、二時から三時。確かそこに居るおばんと殺し合いしてたよ。もうちょっとで志貴と遊べたのに、邪魔しちゃってさ」
容疑者3、シエル
証言
「お、おばんとは何たる言い草です。あなたが遠野君に夜這いをかけようとするのを、殲滅しただけです。健全な一般市民をアーパー吸血鬼から守る事も、遠野君の先輩たるわたしの役目ですから」
容疑者4、翡翠
証言
「・・・・・・・・・・・やってられっか」
ちゃんとやってください。
「・・・・・・・・っけ、専売特許とられたんだ。腐るぜ」
やらんと十八禁指定な事を、琥珀にやらせるぞ。
「その時間は、姉さんと一緒に見回りをしていました。気になったことですか。たしか、庭から大きな物音が聞こえてきました。志貴様ですか?
二時半ごろにお部屋を見回ったときは寝ていらっしゃいました。布団から髪の毛が見えていましたから」
容疑者5、琥珀
証言
「翡翠ちゃんと見回りしてました。庭の方から物音が聞こえた以外は、いつもどおりの夜でしたよ。志貴さんですか、ごめんなさい、ちょっと分かりません。志貴さんの部屋には翡翠ちゃんしか入ってませんから」
容疑者6、ネロ=カオス
証言
「その時間なら、人間を殺してたな。理由だと、私の身体を作る動物達が人を食いたいと言って聞かなかったからだ」
「誰が犯人なのでしょうか?、どいつもこいつも怪しく見えてきました」
有彦が真剣な顔で悩む。
「・・・・・・馬鹿か貴様は?」
シキは呆れ顔でそう呟くと、手錠をもって容疑者の一人に近づいた。
「犯人はこいつに決まっているだろう」
そう言ってシキは、遠野志貴に手錠をかけた。
「お、オレェェェェ」
信じられない、と言った表情で志貴は手にかかった手錠を見つめる。
「その通りだ、お前以外のやつは、翡翠と琥珀、シエルとアルク、ネロと殺された人間とアリバイが補完されているが、お前にだけは無い!!!」
「「「「「なるほど!!!!!!!!!」」」」」
シキのすばらしい推理に、全員が納得する。
「ち、違う、俺はやって無い!!!!」
志貴はあまりの理不尽さに叫んだ。
しかし、誰もそれを聞いてはくれない。
「だ、だれか、誰か助けてくれーーーーーーーーーー」
部屋から護送されそうになる瞬間、志貴は心のそこから助けを求めた。
「意義あり!!!!!!!!!」
いきなり部屋のドアが開いたかと思うと、秋葉がドロップキックをシキに打ち込む。
「アビュピ」
華麗なドロップキックを食らったシキは、斜め四十五度の放物線を描き壁に激突した。首がいい感じに折れ曲がりながら床に倒れこむ。
「シキ、兄さんが犯人のわけ無いでしょう。犯人は別に居ます」
シキの素敵な状態を無視した秋葉は髪をかき上げ、そう宣言した。
「秋葉ぁ」
志貴は心底嬉しそうに、救世主の赤い髪を見つめる。赤い髪については、どうにか突っ込まずにいられた。
「なんだと!!! じゃあ、誰が犯人なんだ!!」
シキが鼻血を流しながら問い詰める。
「そんなもの、思考を略奪すれば、すぐにわかります」
秋葉は小声で答えた。
アルクェイドの思考
(今日こそは志貴の部屋に行って、志貴と・・・・・・・・)
シエルの思考
(これが終わったら、遠野君を家に誘って、グフフフフフフフフ)
翡翠の思考
(明日こそは志貴様に朝の奉仕を)
琥珀の思考
(この強力誘淫剤で志貴さんもいちころですよ〜)
ネロの思考
(昨日の娘、さつきとか言ったか、あれはなかなかうまかったな)
思考を略奪した秋葉は、ゆっくりと目を開ける。
「犯人が分かりました」
部屋中に響く声で宣言すると、呼吸を一拍おいた。
「犯人は」
シキ
有彦
志貴
アルク
シエル
翡翠
琥珀
七人の顔に緊張が走る。秋葉はゆっくりと腕を上げると、犯人を指した。
「アルクェイド=ブリュンシュタッド、シエル、翡翠、琥珀、あなた達四人です」
「「「「「「「なにーー!!」」」」」」」
あまりにも意外な答えに、全員が叫んだ。
「だ、だが、アルクェイドとシエルは殺し合いをしていて、その物音を琥珀と翡翠が」
「まず、庭で聞こえた物音、これが怪しい。この四人以外聞いていないのです。これは四人の狂言と考えられるでしょう」
有彦の疑問に秋葉がもっともらしく答える。
「更に凶器も、こうなれば簡単に分かります。つまり、アルクェイドの攻撃と琥珀の謎生物です!!!!!! つまり、犯行はこうやって行われたんです。まず、学校で先輩であるシエルが被害者を呼び出し、琥珀とアルクェイドが殺害、その間兄さんが起きないように監視役として翡翠が屋敷の中に待機。兄さんはスケープゴートに使われるところでした」
「なるほどな。しかし、動機は何だ! それにあのダイイングメッセージの意味は?」
シキは理知的な口調で、秋葉に尋ねた。
「あのダイイングメッセージは、ブラフでしょう。他の誰かに罪を着せるための。動機は、人気投票でしょうね。彼女の人気は危険すぎました。このままでは、私以外のメインヒロインは意味を成さなくなるぐらいです。人気を欲したばかりの・・・・・・・・哀しい事件です」
秋葉哀しそうに顔を伏せた。
「妹めちゃくちゃ」
こうして一つの事件が幕を閉じた。
「なんですか。そのご都合主義的な推理は!」
人気、それがどれだけ重要かは分からない。
「やはり洗脳探偵翡翠が・・・・・・」
しかし、人を殺してまで得るものなのだろうか。
「秋葉さま、今回は不覚を取られましたけど、次は負けませんよ〜」
違うと、声を大にしていいたい。
「こうしてまた一つ事件は解決した」
秋葉はむなしそうに呟くと、志貴をお持ち帰りした。
あとがき
AAA:ど〜も〜、最後まで呼んでいただいてありがとうございました。AAAです。
アレ:・・・・・・・・・・・・・・何だこれは?
AAA:なんか問題あったか?
アレ:翡翠が壊れすぎだ!!!
AAA:なんだそんな事か。てっきり、話が強引すぎ、もっとおもろくしろ、とかだとばっかり。
アレ:いや、それはもう諦めてるから。
AAA:あうち、い、痛い一言です。
アレ:痛がる心を持ってたんだな、人間のクズ。
AAA:なんか今日はやけに絡むな。どうした?
アレ:別に、ただ久々に登場したからな。言いたい事言って鬱憤をはらそうと思ってな。
AAA:おい。
アレ:なんだ。
AAA:ちょっとお仕置きが必要だな。
アレ:やるか。
AAA:やらいでか!!
(ピーーーーーーーーーーーーーー
暫くお待ちください
ピーーーーーーーーーーーーーー)
AAA:創造主に勝とうなんざ、千年早いわ。
アレ:まだだ、まだ負けられない。ウ、ウォォォォォォォォ
(ピーーーーーーーーーーーーーー
暫くお待ちください
ピーーーーーーーーーーーーーー)
AAA:これが、人の強さか!!!
アレ:そうだ!!!!!
(ピーーーーーーーーーーーーーー
暫くお待ちください
ピーーーーーーーーーーーーーー)
アレ:ばっかやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
AAA:ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
(ピーーーーーーーーーーーーーー
暫くお待ちください
ピーーーーーーーーーーーーーー)
AAA:久々に動くと気持ちが良いなぁ。
アレ:そうだな。なんかもうどうでも良くなってきた。
AAA:そうだなぁ。
アレ:そう言えば、何でこんな殺伐とした話が結婚の祝いなんだ。
AAA:結婚と血痕をかけてみました。
アレ:くだらなすぎるわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
(ピーーーーーーーーーーーーーー
永遠にお待ちください
ピーーーーーーーーーーーーーー)
{三日後}
川原で倒れているAAAが発見される。
地面には血で「結婚おめでとうございます。幸せな家庭を築いてくださ」と書かれていた。
Lost-Way後書き
相変わらずぶっ飛んだ月姫SSですね、AAAさん(爆笑)
こういう『ノリ』は大好きなのでとても嬉しいです。
ショートであるが故のテンポのよさとノリの軽快さ、そして理不尽なオチ。
堪能させて頂きました。
このお礼は、何らかのSSで。
すぐに、とは参りませんけれど、お贈りさせていただきます。
有り難う御座いました。
SSの感想はBBSの方にお願いしますね。
では。
Lost-Wayでした。