お断り。
このSSは鹿島りんさんのサイト『雪見月』に寄贈させていただいた作品です。
「志貴にしては、凄いところを選んだのね?」
「往復の旅行券付のホテルのペア宿泊券が当たったからね」
三咲町を遠く離れた、ホテルのロイヤルスイート、しかも最上階のペントハウス。
幸運にも懸賞で引き当てた志貴は、ホワイトデーということもあって、アルクェイドを伴って遊びに来ていた。
『月光浴』
「見てみて、ここ、ジャグジーがふたつもあるよ?」
ひとつはベッドの横に、もうひとつは専用ベランダにあった。
専用ベランダというよりも、むしろ専用ガーデンと言っていい広さだ。
最上階なので、周りから見られることなどありえない。
だからだろう。
アルクェイドは堂々と裸身を晒し、専用ベランダにある露天のジャグジーに身を浸した。
「ん〜、きもちいい〜♪」
たっぷりとお湯に浸かった後は、たっぷりと月光浴。
アルクェイドは、ジャグジーから上がって、傍のデッキチェアに寝転がって、火照った身体を冷ます。
勿論、裸のまま。
アルクェイドは、月の光で身体を灼く。
「ねえ、志貴?」
月の魔性のエネルギーを吸収したアルクェイドが、手招きをした。
二人の夜の時間は、これからなのだ。