「……………………………………………………………………………………………………」
プレゼントは、いつあげればいいんだろう?
秋葉は、机の上に置いた袋に目を落とした。
丁寧にラッピングされ、リボンを掛けられた『それ』は、如何にも「プレゼントです」と自己主張に余念が無い。
プレゼントは、いつあげればいいんだろう?
「……………………………………………………ふぅ」
秋葉は、またひとつ、大きく溜め息を吐いた。
月姫夜話 幕間集
『去年の誕生日プレゼント』
プレゼントは、いつあげればいいんだろう?
誕生日。
クリスマス。
バレンタインデー。
ホワイトデー。
それでは、あまりに少なすぎる。
私の想いを伝えるには、少なすぎる。
「いつでも、思いついたらプレゼントすればいいんですよ?」
そう、アドバイスしてくれたひとがいた。
そういうものなのだろうか?
どうやら、そういうものらしい。
プレゼントは、いつプレゼントしてもいいのだ、と。
プレゼントしたいときが、プレゼント日和だ、と。
プレゼントするのに、理由は要らない。
「プレゼントしたいから」
それだけでいい。
それ以上の理由は要らない。
好きな人にだったら、いつでもプレゼントしていい。
もらうのにも、理由は要らない。
好きな人からだったら、いつもらっても嬉しい。
「何のプレゼント?」
なんて、野暮なことは聞かない。
どうしても口実が必要なら、後から考えればいい。
「はい、兄さん。誕生日のプレゼントです」
「………半年も、ずれてるけど?」
「いいんです。去年の分ですから」
これで、いい。
理由なら、これで十分。
また、次にプレゼントしたくなったら、プレゼントする。
「これは何?」
「来年の誕生日の分です」
またまた、プレゼントしたくなったら、今度はこう。
「これは、再来年のクリスマスの分」
何しろ、誕生日やクリスマス、バレンタインデーは皆がプレゼントするので、激戦だ。
ライバルに勝つには、機先を制すること。
X-DAYまで律義に待って要る必要なんてない。
思いついたら、すぐ、プレゼントする。
ねぇ、兄さん?
50年後の誕生日と、
クリスマスと、
バレンタインデーの分を、
先に渡しておこうと思うんですけれど、
いいですよね?
end………?
or continue………?
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& 『KAZ23』
THANKS A LOT!!
後書き………のような駄文。
プレゼント、です。
激戦地ですからね、志貴君は。
秋葉ちゃんがやきもきするのも、理解出来ます。
こんないい女になって、さりげなくプレゼント出来るようになったら。
きっと、志貴君も、秋葉ちゃんを選ぶと思うんですけれどね。
私も、頑張らなくちゃ。
では。
LOST-WAYでした。