お断り
このSSは、youさんのサイト『うさぎの穴』に寄贈させていただいた作品です。
『それ、どんな味?』
アルクェイドがチョコを持って来た。
バレンタインデーだった。
「町中走り回って一番美味しそうな奴にしてみたの」
無邪気にそう言って笑う。
受け取って、そのまま食べようと包装を剥くと、じっ、とアルクェイドは口元を見つめてきた。
一口齧ると、興味深そうな目で見つめている。
「それ、どんな味なの?」
「……………………………………………………」
半分に割って差し出すと、複雑な顔をした。
「美味しいよ?」
「そりゃ、私が選んだんだもの」
眉根を顰めながら、それでも美味しそうに口を動かす。
大丈夫。
ホワイトデーに美味しそうなマシュマロを買ってくるから。
それを、二人で半分こしよう。
その時には、今日のアルクのように聞くよ。
「それ、どんな味?」
って。