もう間もなく声もなく夜は明けるだろう
誰にも呼ばれない朝が来るだろう
つわもの諸君、膝をかかえ銃を抱き眠る若き人、いざやいざ
屈した膝を伸ばしたまえ
整列
整列
夜が明けるぞの号令は厳かに、手を振りかざすだけ
振りかざした瞬間の布すれの音で目覚めた若い瞳たちよ
最後の夢に、こいしい人を抱く夢は見れたかい

雑賀の里は深い竹の奥の奥
見事な屋根ぶりのお屋敷
板張りの上に車座になって戦の前の寄り合いだ。

「若様、取り囲んだ織田の数は億にのぼるという噂」
「おいおい、億なんてでっかい数、火薬の粒粒の数を一個ずつ数えたってそんなに無いさ」

孫市は肩をすくめて答えた。そうだ、そうだと互いに顔を見合わせて大人たちが冷や汗を拭う。
そうだ、そうだとも。数なんて気にしたって仕方ないさ。俺たちは負けるのだ。
孫市は皆を安心させ、あるいは奮い立たせるようなことを言いながら、心の中は(俺たちは負けるのだ)とだけ思っていた。
(負けて死ぬのだ)と思っていた。
みな死ぬのだ、と。
だからまさかまさか追いつめられた雑賀の竹やぶのその奥の、奥の、奥の、もうどこまで走ったかわからないような山奥で自分だけ目を覚ますなんて夢にも思わなかった。
目を覚ますと、湯気のあがる鍋をゆっくりかき混ぜる女の後姿が目に入った。
広々とした、整った板張りの部屋の片隅に孫市のための布団がしかれていて、そこに眠っていたらしい。
油の上の小さい炎は孫市の意識をまったく驚かせないほど小さかった。
きっと夜だ。
いつの夜だ。
雑賀の里が織田に襲われた日の夜か?襲われた次の日の夜か?まだ少しは生き残りのいたあの夜か?さらにその次の日のもう一緒に逃げる民もいなくなったあの夜か?
どの夜だ。

傷の手当がされている。
痛い、とても痛い。かなり痛い。
いや痛くない!
うそ、痛い・・・。

右腕は深く矢が突き立った。切っ先に毒を塗るなんてずるいだろう。おかげさまで色男がふらふらしながら道なき道を這いずって逃げることになったんだ。撃たれたりもしたな。
背中から撃つなんて織田は武士じゃねえな。色々折れたし、色々焦げたし、色々刺されて、色々・・・
ああそういえば、と女の後姿があるのを思い出す。

「あのさあ」

孫市は朦朧とする意識の中で見える長い髪の背中に声をかけた。

「みんなは?」

ああ、いかん。血が足りなくて体が動かない。首の角度変えただけで頭の中の血が大移動してる。
髪の長い女が振り返って、その姿は子供の頃に思い描いた「なよ竹の姫」によく似ていた。

「あなたひとりだったわ」

静かな声だ。

「そう」
「だれか一緒だったの」
「ああ、そうだね」
「あなたひとりだったわ」
「・・・そ」

女が立ち上がってこちらへやって来た。女の向こうには暖かそうにけぶる鍋がある。
女はきれいな柄の着物を着ていた。本物のなよ竹の姫みたいだ。

「確認したいんだけどさ、俺生きてる?」
「生きているように見えます。大丈夫です」
「はは、あんまダイジョブじゃないな。イテテ。君が助けてくれたの?」
「あなたが落ちていらしたから。ここは半日村というのだけど、どこのかたです」

雑賀、とは言えない。
織田は雑賀の頭領の首級を探しているだろうから。こんな美人相手にいつもなら音速で回転してみせる舌のはずが、今は息をするのも億劫だ。

「・・・どこだったか思い出せない、ぽい」
「まあ」

半日村の美しい女は記憶喪失の男にいたく同情した。俺は雑賀孫市、日のもと一のいい男、昼の銃も夜の銃も百発百中。君かわいいね。俺実は結構ブルジョアなんだけど一杯いかが?

「かわいそうに。もう少し休んだらなにか思い出せるかもしれません、休んで」

汗をかいた孫市の額に傷一つない手が触った。乱れた前髪を撫でつけてくれる。このやわらかい手のひらは農民ではない。

「休んで」

女の手のひらが額から瞼に落ちてきた。冷たくて心地いい。
ふさがれた瞼に
手の冷たさに
声の穏やかさに
眠りがおとずれる。






彼女はという人だった。
半日村はひとりの村だった。半日村は平らな大地のただ一点だけ大きく陥没したような、穴の底。絶望的な地形。
家はたったひとつ。彼女の家だけだ。彼女の家はお屋敷であるのに家来のひとりもいない。
家の前に畑も無い。

「畑もないの?」
「木も花も育たないのです。ほら、高い崖があるでしょう」

彼女が縁側からほっそりとした指を伸ばして示した。指の先、四方八方取り囲む崖がそびえている。世界を覆うようだ。

「あの崖がありますので、日がほとんどあたらないのです。だからここは半日村というのですよ」
「君ひとりしかいないのに、村?」
「では半日国とおよびください」
「うん、そうしようか。一国一城の城主様というわけだ、姫は」
はころころ笑った。薄暗い昼、たった一軒の家の縁側に腰掛けて話していた。腕は折れているから吊ってる。足は撃たれたから布をぐるぐるに巻いている。腰にもぐるぐる。
着流しを肩からかけるだけ、輝く肉体を見せつける。
しかし残念ながらの目はこっちを見ていなかった。

「幸いなことに近くに湧き水と思ったことのなる木があるから、不自由はないのです」
「思ったことのなる木、というと」
「お魚もなるの。着物もなるし」
「・・・あー、なるほどね。そっかー」

よし、よしわかった。ここはほんとにそういう場所だな。三途の川的な。もうなにが起こっても驚きゃしないぞ。
魚昨日食ったしな。食っちゃったのにウソだ、なんて言えねえよ。

「君もそこに”なった”の?」
「わたくしは人の女の腹から生まれました」
「・・・そりゃ驚いた」

てっきり、たぬきかきつねか、得体のしれないものだとおもっていた。嘘をついている可能性もあるからこっそりおしりのあたりに目をやるが尻尾は見えない。
いいおしりだ。

知らない物語を聞くように彼女の言葉を聞き、相槌をうち、「それで?」と続きを尋ねたりした。
そうこれは物語。
三途の川のような
夢の中のような

「城に敵勢が迫って、私は従者とともに逃がされて走って走って気付いたらここにいたのです。そのときは誰もいませんでした」
「どれくらい」
「どれくらいかしら、ここでは時間もとてもゆっくりだから。きっと一年くらい」
「あの木に、従者よでてこーいって願ったらどうなるの」
「亡骸がなったわ」

木のそばに、小さな墓石が置いてあって菜の花がふたつそなえてある。

孫市は言葉を失った。の微笑みは微笑みであるのに、斜め下を見ていた。そして華奢な指をさすっていた。平気なふうを装っている。
視線に気付いたは顔をあげ、表情に困ったように笑った。

「だから埋めたわ」
「・・・」

かなしみをえぐった小さな悪の行いはすぐさま孫市をさいなんだ。
だから、罪滅ぼしに

「・・・おれ、雑賀孫市って名前だから」

名乗ってみた。

「まごいち?」
「変な名前だろ」
「かわいい名前ね」
「そ?」
「孫市、どこからきたかは思い出せましたか」

雑賀を知らないのか。

―――若様!まあた昼真っから色町ですか、少しはお控えなさいな!
―――ご覧くだせぇ孫市様、ほら大根がこんなにたんととれて。大晦日にご馳走こしらえましょうねえ

「まだ思い出せないな、でもなんかね・・・いいところだった気がするよ」


そう、とは嬉しいことがあった時のように笑った。






奇妙な共同生活が始まった。

調達: 木
洗濯: 孫市
掃除: 
料理: 当番制

「ひー!つめったくてきもちーな」
屋敷の裏手では岩清水がつくった小川が走っている。
大きな黒岩の下から水は生まれ来る。
その岩の上に腰掛けて足首までひたしてみると、夏には最適な冷たさをしていた。
広葉樹の木漏れ日がぱらぱらと落ちてきてとっておきの別荘に来た心地である。
半日村は屋敷の真上に太陽がきたときだけが昼なので、それはひどく短い。貴重な時間だ。

「孫市、洗濯はおわったのですか」
「おわったよー」
「ではご飯にしましょう」

屋敷の中からはゆっくり手招きした。
軽快に動くようになった膝を起こし、裸足で黄緑色の芝生を踏む。
ふっと視界が暗くなって上を見上げた。太陽がない。
数分間の昼が終わった。
長い夜が来た。
屋敷に目を戻すとを視線がかちあった。は何も言わずに灯りをともした。

「今日は何ご飯?」
「五目御飯」
「お、いーねー」

三食昼寝付きのいい生活、と言いたいところだったが、あいにく昼は数分しかないから昼寝は無理だ。いつでも夜寝。


とは未だ健全な関係だった。

ケンカもない。


碁の打ち方を教えて、碁盤だけ木に頼んだ。
暇だったから石を拾って白黒を示す印を刻み、碁石にした。
はかなり強くなった。孫市はちょっと自信をなくした。

は読んだことのある物語をいくつも聞かせてくれた。
孫市はまるで知識人のように平城京、平安京の貴族たちの物語を知った。
中にはやらしいのもあって、はというとそういう場面にさしかかると「中略」とか言ってすっとばしたりした。

屋敷の中から二人で、夜が昼になり昼が夜になり夜が夜であり続けるのを無言で見つめていた。

は昔見たという青海波を舞ってくれた。
裾が舞うのは大歓迎だったが正直よくわからなかった。
お礼に孫市は上半身裸でムキッとやってみたが不評だった。
鍛えてるんだけどな。

木のそばのお墓に花を供えて二人で手をあわせた。

二人ともが寝静まりふっと孫市だけ目が覚めたとき、傍らのは夢にうなされていた。
布団は別。身体も別々。でも孫市はの夢の内容を知っている。

暇つぶしに孫市は魚のいない小川に釣り糸をたらした。
そのまま寝こけておなかが空いたら屋敷に戻った。
は「たんと釣れました?」とくすくす笑いながら言って、孫市は「いいの、重要なのは気分」と開き直ってタラバガニの鍋の前に座った。

またある夜、が眠ってからこっそり木の前に立った。
(ここで民を出せと願ったら死者がなるだろう)
(ならば生きた雑賀の民を願ったらどうなるか)
(どうなるか)
(生きていた民が現れたなら)
―――父を帰せ母を帰せ兄弟をかえせ友をよくも殺したな恋人を愛しいわが子を、おのれおのれ
木を見上げた。
「・・・」
枝ぶりはただの広葉樹。何も言わない。
孫市しばらくそこで立ちつくしていて、どれくらいそうしていたかわからない。
それからようやっと言ったのは
「味噌でんがく」
だった。

次のご飯は味噌でんがくを食べた。

また別の夜、孫市がふっと目覚めて木の方を見るとが立ちつくしていた。
はじっと木を見上げていた。どれくらいそうしていたかわからない。
それからようやっと言ったのは
「鮭」
だった。

次のご飯は鮭づくし。
鮭はまるごと一匹出てきて、食べ切れなかった分はお墓の横に小さなお墓を作って埋めた。

さらに別の夜、悪夢にうなされていて孫市が目を覚ましたとき、が孫市の肩に寄せようとした手をビクっと引っ込めたのを見た。
起こそうとしてくれていた。
ただ起こそうとしてくれていた?
どうしてそんなに驚いているの

「ごめん。俺うるさかった?」
「いいえ、だいじょうぶ?」
「大丈夫だよ」
「・・・」
「嘘じゃないよ」

核心をついたか、はまた驚いた顔をして唇を噛んであごをひいた。膝の上の指が着物を握り締めている。
夜は静かだ。
の心の臓が早鐘を打つのが聞こえる気がする。

「なんの夢を」

強張った表情で、身体で、はそう尋ねた。
里の民がひとり死にふたり死に、五十、百、命が無くなっていく夢
そういって欲しいの?

「覚えてないな、こそどうしたの。君こそ怖い夢を見たような顔をしてる」

強張っていた頬を手の甲で軽くこすってやるとやんわり逃げられた。
自分の布団に戻っていってしまったの後姿は色っぽくて、かわいそうで、怒らせてやりたくなった。
今しがた飲み込んだ言葉を言わせたい。
言ってごらん。
なぐさめてあげよう。
いやらしい展開になることを知っていながら後ろから腕をからめた。
うなじを唇でたどるとはかぶりを振った。

「どうして」

耳元で息があたる距離で尋ねる。

「気持ちよくしてあげるよ」

女の肌はぬくくて気持ちいい
なのにああぐるぐるする。
気持ち悪い


「孫市」


触られるのを払いもせずには名前を呼んだ。

「孫市、黙っていたことがあるの」
「うん?」
「あなたを呼んだのはわたくしなのです。わたくしが」

からんでいた腕をほどいてがゆっくり振り向いた。
顔を見た途端互いにひるむ。
あとはもう細い喉からしぼりだした声

「わたくしと同じ人間が欲しいと願ったの」
「おなじって?」
「国と民を失った人」
「・・・」
「すまぬ、孫市」

ここは夢の中だ

「すまぬ」

三途の川的な
そうだろう?
そうだったんだろう?

「なんでだよ。なんで苦しむの?こんな幸せな世界で」
自分の声ではないような誰かを蔑む恐ろしい声が出た。喉が止まない。
「はっ。さてはあれだ?死んだ奴らをおいて自分だけ幸せになるのは忍びないってんだ」
吐き捨てるように
「自分が苦しめばそれで死んだ民は救われるってか?莫迦じゃねえの!どうにもなんねえだろっ」
嘲笑して(だれを?)
「とんだマゾヒストだ、被害妄想だ自己陶酔だ自意識過剰だ!」
ちくしょう!
「ちきしょう」
ちきしょ・・・
ああ
ここは幸福な世界
ここは死んだ民の呪い
欲しいものを欲しいだけ与えて無言で責め続ける
それでもいいだろ
逃げて逃げて逃げた末に逃げ切ってこんな幸福な世界にこれたんだから

あれ?



冷たい一滴が落ちてきたようにひらめいた。






火を持つ者どもに追われ仲間の死を泥と同じに踏んで走って走って走って走って走ったその末に、おれは幸福になりたかったんだっけ






冷たい一滴ほっぺた落っこち
声はかすれた。

「・・・みんなに幸せに生きていいって言って欲しいよ、

―――我らを忘れておまえがたったひとり幸せになるがいい

「ごめん、嘘、違うよ、本当は」

君ははずっと黙って、錯乱する俺を見つめ聞いてる
喉が痛い
この情けない泣き声の叫び声


「ほんとはおまえなんか死んじまえって死んだみんなに言って欲しかった」


苦しい痛いさびしいつらい怖い殺さないで行かないでおいてゆかないで、色町に行こうとする俺を怒って、豊作の年の瀬に笑って、おいていかないで死なないで息をして息をして息を・・・

唐突にのたよりない腕は力強く、抱きしめてくれた。
その腕の懸命さを感じたらなんだか少し落ち着いた。
細い肩に頭を預ける

「俺ばっかしゃべって、ごめん」
「いいえ、孫市の喉は今やわたくしの喉」

かきむしるみたいに抱きしめ返してしまった。



















この夜、ふたり素足で庭に下りた。
は一度従者の墓前で泣いて、そういえば初めてが泣く姿を見たと思った。かわいかった。
孫市は鮭の墓の前だったのでごちそうさまでした、と手を合わせた。
木の前、見上げて
「ここから出して」
声は揃った。
木は黙っている。
きっと最後の束の間、華奢な背中を撫ぜた。ちっちゃいなあは。

「俺とにつのった呪いは足して二で割ろうな」
「減るの?」
「減んない」
「よかった」


闇に消え入る声が耳に届いた。
長い夜のうち数分間だけ太陽を与えたのは太陽を待って夜に怯えるようにだろうか。
それとも死の絶望の中でたったひとすじでも誰かが誰かの幸福を願――――――
もう間もなく声もなく夜は明けるだろう
誰にも呼ばれない朝が来るだろう。
つわもの諸君、膝をかかえ銃を抱き眠る若き人、いざやいざ
屈した膝を伸ばしたまえ
整列
整列
夜が明けるぞの号令は厳かに、手を振りかざすだけ
振りかざした瞬間の布すれの音で目覚めた若い瞳たちよ
最後の夢に、こいしい人を抱く夢は見れたかい

「孫市!いつまで寝ておるか、このごくつぶし!」
「うわっ」

銀の刺繍羽織も鮮やかな若き奥州王が布団を引っぺがして、ごろんと一回転した孫市を見下ろしていた。
開け放たれた障子、広い新緑の景色に咲き乱れる白い卯の花、奥州の春である。

「いってぇ。これが客将に対する伊達家の礼儀かよ」
「バカめ、なにが客将だ。わしは鉄砲兵の指南役として呼んだのであって鉄砲兵の女房の床指南をせよと言った覚えは無いぞ」
「さすが伊達の殿様、お耳が早い!」

言った孫市の顔は政宗に踏みつけられた。

「雑賀の山奥であのまま野垂れ死にさせてやればよかったと家臣どもに言われる前に働け。
今日は午後から北山で実践訓練じゃ」
「へいへい、じゃあ午前中は美しいお女中さん方に実践訓練でも」
「と、言うと思ってな」

政宗はにやりと笑うなり、ぽいっと一匹の猫を孫市に放った。猫はしなやかに孫市の膝の上に着地する。
首輪までつけてずいぶんよい毛並みだ。

「ねこ?」
「親戚から預かった。たいそう珍しい猫だそうだから、おまえが世話をせい」
「なんで俺、てかなんで猫」

あきれながらも持ち上げてみると白いおなかがびろーんと。

「安心しろ、メスだ」
「安心っておまえ」
「前に城攻めがあってな、わしが援軍として駆けつけたときは手遅れであった」
「その生き残りかい?猫が?」
「いや。生き残っていた老中が今はなんとか取り仕切っている。だが主家の者がことごとく斬られて、わずかな家来とともに逃がした姫も行方知れず。よぼよぼの老中は血筋が絶えたことをいたく嘆いてのう」

政宗は面倒そうにため息をつく。

「慰めにと猫に姫の名をつけてかわいがっていたところ、その姫が最近ひょっこり現れたそうでな。
喜んだはいいが身代わりにしていた猫がいてはばつが悪い。そこで暇人が常駐しておるここにまわってきたというわけだ」

任せたぞ暇人、と言い置いて政宗は踵をかえしてしまった。あくびしながら。
猫もちいさくあくびする。

「なあ、こいつ名前は」

という」

孫市は猫と顔を見合わせてしばらくしてから、「そっか」と嬉しいことがあったときのように笑った。



おしまい