学園祭 〜蜀組〜





三国学園 学園祭。
各クラスは出し物や模擬店を運営し、来校者の人気投票によって順位を競う。
クラスごとにまとまるのはもちろん、学年を超えて一つの出し物をすることもできる。
中にはホームルームのクラスで劇、部活でバンド、縦割りクラスでは模擬店と大忙しな生徒もいる。



「おかえり。遅かったな。ご飯できているから早くおいで」

蜀組のドアをあけると玄関があり、靴がいくつか並んでいる。
ジーンズにパーカー姿の趙雲に優しく迎えられ、モブ女子は奥のコタツに案内された。

コタツには関平、劉備、黄忠がいて、テーブルの上ではお鍋がぐつぐつ音と湯気を立てていた。
ベニヤ板やダンボールに模造紙を貼り、サザエさんの居間そっくりに作られている。

モブ女子の顔を見た途端、関平がパっと表情を明るくした。

「姉上!おかえりなさい!」と関平
「ははは、我が家の子供達はみんな元気でかわいいな」と劉備
「ん?コタツを見つめてどうかしたのか?悩み事なら兄さんが聞こう」と趙雲
「まったく、わしをじじい役にしよって・・・。年寄り扱いするでないわ!ところで劉備殿、飯はまだかの」と黄忠

そうこここそが蜀組が総力を上げ、低予算で作り上げた模擬店、その名も



1年/2年/3年蜀組 共同模擬店
『かぞくくらぶ 劉くん家』



モブ女子は趙雲に促されるまま恐る恐るコタツに入った。
趙雲もコタツに入り、モブ女子に至近距離で微笑みかける。

「蜀組の生徒なら自由にメンバーチェンジできるから、遠慮せずに兄さんに言うんだよ」





ほぼホストクラブでした。