体育祭 ~いかだ流し~
体育祭種目『いかだ流し』
それは、馬飛びをする時の人の背、その連続を川を流れるいかだに見立て、船頭役の生徒がその上を走り抜けていく競技である。
船頭の体重、走力、バランス感覚が重要になるのと同時に、下になる生徒が素早く安定した道をゴールまでつなげていかねばならない。
そう、『いかだ流し』はチームの結束が問われる重要な団体種目なのである。
今まさに、『いかだ流し』の激戦の火蓋は切って落とされた。
「うわあ!」
「陸遜っ」
呉組の船頭、陸遜がいかだの背から足を踏み外し右足を負傷した。
「くそう!これでは陸遜に走らせるのは無理だ!」
「誰か他に上を走れる者はいないのかっ」
その間にも他のクラスの船頭はゴールへと突進していく。
参謀、周瑜は苦虫を噛み潰した。
「ここは俺に任せな!」
「甘寧!おまえ、船頭の練習なんかしてたのか!?」
「ハッ、俺を誰だと思っていやがる・・・」
甘寧は陸遜から船頭が着る半被を奪い取って不敵に笑った。
そしてその足をいかだの背にかけた。
「俺様は水賊だぞ!」
グシャ
(甘寧くんが背に乗った瞬間孫権くんがつぶれた音)