赤兎





赤兎(せきと)、
かの有名な『三国志』において最強とうたわれた呂布の愛馬である。
また『三国志演義』においては一日に千里も駆けると称された名馬である。

この三国学園においてもその評判はすさまじく、多くの生徒が赤兎を手中に置きたいと焦がれ、求めた。



「赤兎、水だ。飲め」
そういって赤兎に水を持ってきたのは、ほか組の呂布である。
未だもって、赤兎は呂布の手中にあるのだった。

「おお、呂布殿。飼育係のおつとめ中ですかな」
「張遼か。何をしに来た」
「今週はこのうさぎ小屋の掃除当番なのです」



そう、ここは三国学園のうさぎ小屋である。
そして赤兎は呂布の手のひらの中におさまってしまうほど小さなうさぎさんである。
「うさぎさん」という呼び方に正確な形容を加味したなら「うさたん」である。


その愛らしさたるや全校生徒から
「赤兎!おまえこそ我が校の三国無双だ!ワッショイワッショイ!」
と褒め称えられるほどなのである。


そんだけ。