9.越後屋
「ライト、大岡越前ごっこしようぜ!」
「なあライト、そしたら三匹が斬るごっこしようぜ!」
「なあなあライト、次は銭形平次ごっこしようぜ!」
「なあなあなあライト!その次はっ」
「わかったよリューク。遠山の金さんごっこをしよう」
振り向いたライトの笑顔に、リュークはぞっとした。
「わかったとも・・・」
ライトの手には大きなリンゴが握られている。
「ヤるからには本格的に行こうか」
ライトは両手にリンゴを握る。
リンゴがみしみし鳴っている。
手の中で割れそうなほど力が、怒りがこめられている。
「ラ、ライト。さっきリンゴいっぱい食べたからもうリンゴはいらッ」
「黙れ越後屋!」
ずずいとライトが攻め寄ってくる。
「ちがう!オレ、死神リュークッ」
「このリンゴが口に入らねえかっ!」
イジメ、ダメ、ゼッタイ