8.忍者





「何奴だ!」

ライトが投げた四本のシャーペンは見事、四本とも天井に突き刺さる。

「ぐひっ!」

天井板をすりぬけて、リュークがぽろっと落っこちてきた。
そしてベッドの上で数回もんどりうってから、息も絶え絶えに言う。

「やーらーれーたー・・・」



ぱたりと動かなくなったリュークを見下ろし、ライトは首をかしげる。



「これ、死神にとってはおもしろいのか?」
「・・・あんまり」
「じゃあなんで僕までつき合わせて、忍者ごっこやらせるんだ」
「四時からやってる再放送で見たから。幸子さんと一緒に」
「見たからって真似することないだろ。それから人の母親を勝手に名前で呼ぶなよ」
「なあ、次は子連れ狼ごっこやろう。オレ、大五郎やる」
「だーかーら」

ライトはあきれて、ガシガシと頭をかいた。

イラだった様子のライトを見て、リュークはベッドの上でしゅんとして体育座りをした。
ライトを怒らせるとリンゴがもらえなくなるのだ。
どうにかしないといけない。
リュークはライトを見上げ、小首をかしげる。






















「ちゃーん」





安西先生、リュークに「ちゃーん」って言ってほしかったんです・・・。