【東京Vクラブハウス】東京ヴィクトリー旅行先アンケート



「アンケートは各自この場で書いて部屋を出るときに俺に渡してくれ。書くものを持っていないやつはいるか。5本用意している」

年の瀬迫る12月某日、
東京ヴィクトリークラブハウス内ミーティングルームでは選手達にアンケート用紙が配布された。
平泉が出て行ったあと、城西がホワイトボードの前に立ち、記入を促す。

「ああレオナルド、シャリッチには翻訳をお願いします。この集計結果から慰安旅行の行き先を決めるぞ。必ずかなえられるとは限らないが自分の希望を遠慮なく書いて欲しい。フロントはみなの要望を出来る限り受け入れたいと言ってくれている。持田寝るな。三雲起こしてやってくれ。結果は一週間以内に連絡するからそのときには参加可否を速やかに、コラ持田、三雲を威嚇するんじゃない」



最後のひとりのアンケートまで回収が完了した。

「すみません城西さん。これはフロントの仕事なのに」
「ミーティング後のピリピリした選手達の前に出てサッカー以外の話をするのはなかなか勇気がいるものですよ。これくらいでしたらいつでも協力できます」

城西はドヤッと、いや、ニコッと若いフロントスタッフに笑みを向けた。
「それに」と城西は揃えたアンケートの束に目を落とす。

「俺自身知っておきたいんです。チームがどんな休息を求めているのか、あるいは求めていないのか。キャプテンとしてチームメイトの心と向き合える機会というのは案外少ないものですから。さあ、アンケートを集計しましょう」

集めたアンケートを二つの山に分け、城西はボールペンを握った。
城西の横の椅子に腰掛けた若いスタッフは城西と言う男を見直さずにはおれなかった。
東京Vのキャプテン城西は、いいカッコしようとするわりには実に真剣にチームとチームに関わる人々を愛している男なのだ。
苦難を乗り越えた彼と彼らをサポートする者として、可能な限りチームの希望を取り入れた行き先にしてやりたい。そう思わずにいられない。


















































「・・・」
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