ぼく、ねこ。









さいきんさむいね
雪が降ったね

こたつでまるくなりたいけど、
ぼくはフリーランスなネコだからがまんしたよ

この草むらは雪もはやくとけて、
ぼくはずっとここにいます







うずくまっているとき、
このまえきた猫語をしゃべった人間が来てくれたらいいのになとおもいました

えっと・・・「えーじ」っていう名前だった気がする
あの二匹はやさしそうだった
そのあとのまひるのジョージの二匹も、なんか好き












にんげんは実はそんなこわくないの?





















あっちいけ




























「・・・ねこ」




「え?どこ、猫どこにいるの、仁?」

「あれ」










あれ、とは失礼な
なんだこのオス

白いトサカなんかたてちゃってハイカラだな
ニワトリ気取りか









「わーかわいー・・・、あ、そうだ。わたしお菓子もってるの」











かばんごそごそあさって、
ビーフジャーキーをくれた

犬ではないんですが・・・








さしだされたってたべるもんか

にんげんがくれるものなんて

くれるものなんて










きっと悪いものにきまってる
きっと
たぶん
おそらく
万が一...

























「おなかいっぱい?」



・・・空いてるけど



「さっさと行くぞ」
「うん。おなかすたら食べてね」



メスはにっこりわらってビーフジャーキーをおいて
二匹はむこうへ歩き出してしまった










「ネコにはなしかけてんじゃねーよキモチわりーな」
「そんなことないよ。わたしネコ大好きだし」
「ケッ。バカじゃねーの」
「コラー!幼なじみむかってバカはないでしょ」
「痛っ。イテーなこの野郎」
「もういい。わたし仁より猫のが好きなんだから!」







告白されちゃった

でも、ぼく・・・えっとネコだからきみのきもちには
答えてあげることができないんだ
































にんげんは

やさしいかもしれない














またきてね。





























え、なに・・・?







オスが戻ってきたぞ


くさむらのまえに立った



ぼくのこと見てる






見てる



































見て




ガサガサガサッ!




キャー!!
くさむら思いっきり蹴りましたよこのオス!





ガサガサガサガサッ!!!










やーめーてーこーわーいー





























































・・・ぼく、なにもしてないのに









あっちいけ!