ぼく、ねこ。






最近そっちはさむいみたいだけど、
あいかわらずこのくさむらはあったかいぞ
ほんとだぞ
う、うそじゃないぞ
さむくなんかない!



































あっちいけ


















「景吾見て。ネコがいるよ」
「あ?」




怖いなこのオス。
おこってるのか。







「くさむらの向こう、ほら。かわいい」



どうも。



「わーい。こんにちは猫さん」



こ、こんにちはー・・・、ってちょっとテレるな。
ここはひとつ、目つぶっちゃえ











「ほらあそこ、目をつぶっちゃったよ、目ェー!」
「だからなんだよ」
「かわいーキスしたい!」
「・・・」



エヘ。
耳も伏せちゃいたいな。

それにしてもあのオスのほう、さっきからこっち見ない。
やっぱりおこってるのかな







「ああいうの、好きなのかよ」
「大好き!」
「・・・」
















ぼくにほれたらケがつくぜ





















突然、オスがすばやくメスの手をとって
むこうへ歩き出した



「え、ちょっと景吾。どうしたの、痛いよっ」
「ガキでもあるまいし、ネコごときで」
「景吾、怒ってるの?」
「あれくらい買ってやる」
「・・・」
「・・・」


「またねー、ネコさん」


最後までオスはぼくのこと見ようともしない











行っちゃった。
オス怒ってたのにメスの方、ちょっと嬉しそうだった。






























・・・あ、わかったぞ

オスはぼくにシットしたんだな。
こういうのって『まひるのジョージ』って
言うんだろ。






















































ジョージってだれ?







また来てね