氷帝学園
ダブルス2
向日岳人(3年E組)
忍足侑士(3年F組)
氷帝学園グラウンドでは現在ソフトボールの試合が行われている。
「よ、侑士。ソフトボール出んの?」
「おー岳人。俺はバスケやから試合待つ暇つぶしで見んねん。おまえは」
「俺はサッカー。お、試合してんの樺地のクラスじゃん。あいつはキャッチャーかあ」
「おまえ、あんま跳びすぎてキャプテン翼みたいにせんようにな。お、打ちよった」
「ああ!ランナーまにあわねー!」
三塁から飛び出したランナーはボールがホームに戻ってくるのと
ほぼ同時にヘッドスライディングをした。
『アウト!』
「はぁー!?今のセーフだろ!」
「おま声デカイわ。おもきしアウトやんか」
「なに言ってんだよ、どう見たってセーフじゃん」
「おまえこそどこ見てんねん。ボール先に来とったやろ」
「シンパン!審判どこ見てんだよっ!」
「人の話きけや!だからアウトや言っとるやろ!アホ!」
「なんだと侑士、おまえ眼鏡のクセに見えるわけねえだろ!メガネ!」
「なっ!メガネかけとるから見えるんやろ。つか、メガネをアホと同じ用法で使うなや!V字がっ!」
「クッソクソ侑士!だいたいおしたりって読めねーんだよ!ニンソクにしかみえねえっつーの!おまえは豚足かっつの!」
「俺の意思ちゃうわ!おまかてムカヒとかケッタイな名前しよってからに、ケータイで変換でけへんねん!ブチャラティに名前変えてまえ!」
「ブチャッ!!・・・言ったなこの野郎!おりゃあ!」
岳人が跳び上がり、ムーンサルトから蹴りを繰り出した。
「甘いわ!」
忍足はそれをひらりとかわした。
すぐに岳人は二撃目三撃目を繰り出す。
岳人の足がメガネをかすめたのに激怒した忍足は、降ってきた岳人の足を引っつかんで投げた。
ギャラリーの視線を集めながら、なおも死闘は続いた。
見ていられなくなった樺地は急いで跡部にそのことを伝えに行った。
「あん?向日と忍足がケンカしてるだと?」
「ウ、ウス」
「勝手にやらせとけ」
「ウ・・・ウス?」
「あれはジャビットとトラッキーの演出だ」
「ゥ・・・ウス・・・」