聖ルドルフ学院中








不二裕太(2年B組)





種目:硬式テニス(ミックスダブルスの部)

2年B組 不二ペア 対 2年G組 佐田ペア




「いま試合してるB組の不二ってやつテニス部レギュラーなんだって」
「えー、それじゃうちのG組は勝てないじゃん!」
「佐田ペアはバレー部だもんなあ」
「でもさ、なんかG組勝ってない?」
「・・・あれ、ほんとだ」


バレー部の佐田君はスパイクを打つがごとく、スマッシュをB組のコートに打ち込んだ。

とれる!
裕太はそう確信をもって、ボールに追いつきラケットを引いた。

「裕太くんがんばって!」

ボールは裕太のラケットから数ミリ下を通り過ぎてコートにおちた。

「ぁ、ごめん」
「いえ、こちらこそごめんなさい。打つときに声かけちゃって」
「あ、いや、別に・・・いいよ」
「裕太くん」
「・・・はい」
「顔色が赤いよ。熱とかあったりしない?平気?熱中症とか」
「べ、別にない、ッス」
「そう?」
「じゃ・・・おれ、つぎサーブだから・・・」
「がんばれー」
「オ、オウ」






その様子をコートの外から見ていた赤澤が観月に声をかけた。

「なあ観月」
「なんですか」
「裕太の奴、右手と右足が同時にでてるぞ」
「よりによって好きな女の子とミックスダブルスですからね」
「あ、前屈みになった」



そして裕太は、サービスゲームを落とした。








※前衛のスコートに釘付け