こんにちは
南健太郎です。
一応、テニス部の部長してます。
今日は、すっごくいやなんですけど小話します。






い つ の 日 か ボ ク も






二年の終わりに遠足に行ったときの話です。
行き先は都内の某遊園地でした。
黒いネズミや黄色いクマがいるような人気がある遊園地じゃありません。
でもみんなはそれなりに楽しみにしていました。
俺はかなりげんなりしていました。
なぜなら



「みーなーみー」

寄るな
来るな
飛びつくな!

「なんだよ千石。はなれろよ」
「だってちゃんどこにもいないんだよう。ちゃんと観覧車乗りたいよう」

千石は最近うちの部のマネが好きになって、手のつけようがない。
今日だってきっと巻き込まれるのだと予感していた。
朝の占いでも最下位だったし、
千石の星座は一位だった。

「みっともないから泣くなよ」
「じゃあ南も一緒に探してくれるんだ」
「なんでそうなるんだよ」
「だってちゃんきっと東方と一緒にいるじゃん。南は東方の相方じゃん。んで俺はちゃん好きじゃん。だから」

わけわかんねー。

「まぁ…あいつらのことだからユルいアトラクションのってんじゃね?」

あれとか、と俺は大観覧車を指差す。
千石は目を凝らすが見えるはずもなく

「あやしいから行ってみよ!」

と言った。

「ヤダよ。俺他の奴らとあっちのアトラクション乗ってくるから。じゃーな」

「待て」
「うわっ」

膝カックンしやがった・・・。

「なにすんだよ千石!ちょ、待っ、制服ひっぱんなよ!」






俺は千石に引きずられるような形で大観覧車までやってきた。
それだけでも不本意極まりない。
遠くでジェットコースターがくるくる回転している。
むこうではスペースシャトル型の乗り物が大きく揺れている。



俺は、千石と二人きりで観覧車に乗っていた。
楽しげな悲鳴ははるか彼方。



「なんでこうなる…」
「だってちゃん観覧車のってるって言ったの南じゃん」
「乗ってるかもしれないけど、俺たちが乗ったら意味ないだろ!入り口で待ち伏せとかしてりゃいいじゃねえか!」
「怒るなよ南ぃ。怒ると・・・」

千石は窓に手をついた。

「揺らすぞ」
「や、やめろって!」
「なんちゃって。嘘だよー。シシッ。南は高所恐怖症だからな」

いつか俺に運が向く日が来たら最初にこいつをシバこう。
男二人で観覧車一周の旅。
俺は早く一周回って地上に戻ることばかり祈っていた。
そしてようやく地上に戻ってからも千石は俺を逃がしてはくれなかった。
観覧車の出口のところにあったパラソルの下で一緒に待たされた。



「いた!」



突然叫んだかとおもうと、千石は観覧車の乗り口に駆け込んだ。
その先のゴンドラには東方との姿が見えた。
千石は、降りずに二周目に入ろうとした東方たちのゴンドラに乗り込んだ。

「南も!早く!」
「え、俺も?」
「早く!」

あんまり真剣な顔でせかされたから俺も思わず飛び乗ってしまった。



で。
小さなゴンドラに
東方とが向かい合い、千石がの横。俺は東方の横に座っていた。

きつい

イタい

せつない



ちゃん会いたかったよ。着いてから今まで、3時間もどこにいたの?」
「ずっと東方くんとこれに乗ってたの。ね、東方くん」
「ああ。今12周目だったけ」
「うん」
「大丈夫?飽きてない?」
「平気よ。東方君といられるんだもの。それだけで楽しいの」
「よかった。俺もすごく楽しいよ。が飽きてなくてよかった」
「そんな!東方くんと一緒にいて飽きるなんて。そんなのあり得ない」
・・・」
「東方くん・・・」
「ストーップ!ちゃんこっち向いてってば。ほらあっちに飛行機あるよヒコーキ!」

千石は必死にに声をかけるが、は全く意識に留めない。
東方と見詰め合って、とろんとしてる。

「こっち向いてってばぁ!ちゃーん!」

千石は立ち上がってゴンドラを揺らした。



「きゃあ」
!」



前のめりになったを東方がすかさず抱き寄せた。
二人は間近で視線を交わし、頬を赤らめて微笑みあった。
はそのまま東方の胸に頭をもたれた。
東方も両手でそっとの背を抱く。



「東方君の心臓の音、聞こえる」

「うん」

「早いね・・・」

が傍にいるから」

「東方くん・・・揺り籠みたい。気持ちいい」

「うん。おやすみ、
















これ↑

俺の横でやってる。
勘弁してくれ。
千石はいよいよキレてゴンドラを内側から激しく蹴った。

勘弁してくれ!!






で、ゴンドラ降りてから係員の人に怒られた。























































俺が。