★☆キヨ&アックン☆★
「じゃねー陽子ちゃん」
「送ってくれて有難う御座いました。亜久津くんも」
「あっくんてば陽子ちゃんとイチャつくなー!」
「イチャついてねーよ」
「また今度、おやすみなさい」
「オヤスミー!」
ひらひら手を振った。
その帰り道の会話である。
「陽子ちゃんカワイイだろー。あげないぞぅ」
「やっぱおまえバカだろ」
「なんでー?陽子ちゃん優しいしかわいいし、いいじゃん」
「つーか、おまえはもっとチャラチャラした女と付きあってんのかと思ってた」
「ニヒヒ、見直しちゃった?」
「守備範囲の広さに呆れただけだ」
「んー、確かに陽子ちゃんは硬派だよねぇ。あそこまで真面目さんなのははじめて」
「乳はでけぇけど」
「そうなのさー!腕とか組んだときとかたまにあたってたりとかね」
「やっぱヤリてぇだけじゃん」
「NO!それは違うのだよあっくんヨ。陽子ちゃんは別格。これまで何人も女の子と
付き合ってきたけど、そりゃあ好きだから付き合ったんだけど、まぁね、その子の
おっぱいしか見てなかったと言っても過言ではない!」
「エバんなよ」
「でも陽子ちゃんは違う!顔も見る!耳も見る!手も見る!足も見る!鎖骨も
見る!髪も見る!おっぱいはたまにしか見ない」
「あっそ」
身振り手振りをつけて大声で語る千石にあきれ、ちょっと間を空けて歩く。
「いやだ冷たい!わかってる?陽子ちゃんは特別なのってこと。エッチもしたいけど
おでこにキスもしたいのさ。手ェ繋いで公園行って、ブランコ乗ったりしたいのだよ」
「バカじゃねーの」
「“陽子ちゃんバカ”だよ、オレは」
親バカ、とかそういうことを言いたいのだろうが、使い方が間違っているのは
あえて指摘しない。
「ノロケてんじゃねーよ」
「あっくんどこフェチ?」
イキナリ話が変わっていて、動揺した亜久津は思わず答えてしまう。
「・・・・・・・・鎖骨」
「オトコノコめー☆」
「てめぇがいわせたんだろうが!」
「陽子ちゃんイイ鎖骨してまっせー、ダンナ」
千石は卑猥な顔をして肘で亜久津を小突いた。
「そんなに言うならあの女とヤらせろ」
「あっくんなんか相手にしたら陽子ちゃんこわれちゃう」
「壊されてェとか思ってるだろ、女って」
「陽子ちゃんはこの千石君に壊されたいとおもってるのでダメ」
「うぬぼれんな」
「あっくんこそ、ちょっとおっきいからって。エッチはテク勝負だってば」
「テクニックでオレに勝てると思ってるのか小僧」
「ブキ中のテク師とは清純くんのことダイ!」
―――胸を張るな。
「ちなみにオレはどこフェチでしょうかー?」
「知るか」
「なんかいってよ!」
「・・・チチ」
「ブッブー!!」
―――むかつく
「正解はー」
意気揚揚と拳を振り上げる千石。
「陽子ちゃんフェチでーす!」
―――ほっとこう。
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