俺のメガネを越えてゆけ
次の日、下校するときにオレは偶然手塚くんに会いました。
「手塚くーん!ひさしぶり」
「ああ」
「どうしたの元気ないねー」
「・・・千石。おまえナタデになにか吹き込んだか」
「は?」
「あのナタデが、今日とつぜん英語教師のメガネを」
「割ってくれたの!?」
「割ろうとしたのを俺が引きとめたんだ」
手塚くんは「やっぱりおまえか」と呟いて目頭をおさえた。
「ナタデ・・・付き合う男は選べよ・・・」
誰にともなく手塚くんは呟いた。
「そんなこというとココちゃんにメガネ割られちゃうよ」
「なに?」
「愛はメガネを越えてゆくんだよ」
「なんの話だ」
「今の千石さん語録、メモっといて」
「・・・?」
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