VM(MM)カートリッジとMCカートリッジの比較
アナログレコードプレーヤーの更新で、所有のカートリッジを取り替えてはレコードを楽しんでいました。
所有のカートリッジはすべてMM型。MC型は40年前に購入したDENON DL-103Sで針が摩耗しており試し
に使用したところ針の摩耗等で音が割れて使用に耐えませんでした(製造終了で針交換も不可)。
オリジナルのDENON DL-103は、今でも購入可能ですが予算等合わず断念していました。
MCカートリッジの購入を考えていたところ、オーディオテクニカのOC9Xシリーズの「AT-OC9XEB」
が評判及び価格的にもマッチしたため購入することにしました。
レコードプレーヤー更新後バージョンアップするために購入したオーディオテクニカ製VMカートリッジ
VM520EB/HとMCカートリッジAT-OC9XEBを今回聞き比べしてみました。
カートリッジを交換して比較する度にバランスをとり針圧調整するのが煩雑になるため安価で購入可能な
電子式針圧計を購入しました。これは非常に便利です。
電子式針圧計(針圧 2gを測定)
●オーディオテクニカ製MCカートリッジ AT-OC9XEB とは
2019年にOC9Xシリーズとして5機種がリリースされました。
共通するのはPCOCC銅線の発電コイル+鉄芯巻枠と、強磁力ネオジム磁石の採用しアルミボディ採用しています。
針は各モデルで異なり、カンチレバー材質はアルミニウムとボロンの2種類そして磁気回路のヨークも純鉄と
パーメンジュールの2種類で、適正針圧は全機種とも2gで価格レンジも¥31,900〜\107,800(税込)と広いです。
今回購入した AT-OC9XEB はアルミニウムカンチレバーに接合楕円針を搭載した標準的なMCカートリッジです。
オーディオテクニカ製MCカートリッジ AT-OC9XEB
●MCカートリッジ AT-OC9XEB仕様(オーディオテクニカ カタログより)
MC型 | |
20〜30,000Hz | |
0.32mV(1kHz、5cm/sec.) | |
25dB(1kHz) | |
1.8〜2.2g(2.0g標準) | |
12Ω(1kHz) | |
12Ω | |
100Ω以上(ヘッドアンプ接続時) | |
25μH(1kHz) | |
20×10-6cm/dyne | |
9×10-6cm/dyne(100Hz) | |
接合楕円針 | |
0.3×0.7mil | |
アルミニウムパイプ | |
7.6g |
●オーディオテクニカ製VMカートリッジ VM520EB/H とは
2016年後半にオーディオテクニカからVMカートリッジの新製品が発表されました。
500シリーズ4機種、700シリーズ3機種でなんとすべてのカートリッジボディと交換針が統一
されどのボディにどの交換針を取り付けても完全に問題なく動作することが可能になります。
また数十年前に購入したAT-120E、AT-150MLXのボディとも共通で針交換が可能となりました。
今回500シリーズで好評のシェル付VM520EB/Hを購入しました。VM520EB/Hは接合楕円針を
搭載した楕円針のスタンダードモデルでアルミパイプカンチレバー採用いています。
オーディオテクニカ製VMカートリッジ VM520EB/H
● VMカートリッジ VM520EB/H仕様(オーディオテクニカ カタログより)
VM型 | |
20〜23,000Hz | |
4.5mV(1kHz、5cm/sec.) | |
27dB(1kHz) | |
1.8〜2.2g(2.0g標準) | |
2.7kΩ(1kHz) | |
800Ω | |
47kΩ | |
25μH(1kHz) | |
35×10-6cm/dyne | |
8×10-6cm/dyne(100Hz) | |
接合楕円針 | |
0.3×0.7mil | |
アルミニウムパイプ | |
16.8g(シェル含む) |
●VM(MM)カートリッジとMCカートリッジの比較してみた結果
同じ接合楕円針、アルミニウムパイプカンチレバーの両者でVMとMCの構造の違いだけで
どの程度差が出るのか聞き比べてみましたがMC型AT-OC9XEBは、広帯域でかつフラットで
聞きやすい印象で逆にVM型VM520EB/Hは低域が不足気味?ですが高域が伸びていて全体的
に明るい感じで良い印象でした。MC型AT-OC9XEBはクラシックを気軽に聞くのに適してい
るような感じがします。VM型VM520EB/Hはポピュラー音楽に適しているようでまたジャズ
のドラムや管楽器等がよく鳴ります。
MC型AT-OC9XEBの上位機種は針の形状やカンチレバーの材質等でかなり良いようですが価格
が倍以上するので手軽に購入できません。