水槽水交換

水を排出
左は配管で道路に排出。右は室内蛇口から給水。
水交換の必要性
(1)なぜ水交換が必要なの?
 人間(ホモサピエンス)は生きるためにはとりあえず栄養源を補給しますね。食べなきゃ死ぬということです。魚も生きるために食べるのは同じで、栄養素も人間と魚はあまり変わりませんね。タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン類などなど。そこで、食べたらどうなります。そうですね。みんな嫌がる人間も魚も糞をする。この漢字はクソともフンとも読む。みんな嫌がりますね。自分で製造したのに。あの美人の俳優さんだってクソをするのです。美人であるがゆえにクソしちゃいけない。顔に傷が付きます。てなこといったって、しょうがないのです。さて、このクソの中で生活したらどうなるのでしょう。想像がつきますね。すぐ生きていけなくなりますよね。魚君たちも同様です。だから、水換えするのです。
(2)どうして1〜2週間も水換えしないで済むの?
 糞の中身を考えましょう。ここから糞学の始まり始まり。まず、炭水化物や脂質は体内で分解すると、水と二酸化炭素に変わります。これらは特に魚に問題はありません。未消化のこれらは腸内バクテリアによって、水や二酸化炭素以外にメタンなどに変えてしまいます。これも特別問題はありません。しかし、タンパク質は分解されると水や二酸化炭素以外に窒素化合物と硫黄化合物が作られます。これらが臭いのです。特に窒素化合物が多量につくられアンモニアという形で排出されます。このアンモニアによって魚君たちがやられてしまうのです。さらに、水槽に排出された未分解タンパク質も水槽内で分解されアンモニアを排出するのです。よって、このアンモンニアを水交換という手段で軽減しているのです。しかし、ここで疑問が生じますよね。水は1/2〜1/3くらい交換すればよいことになっています。さらに、ろ過装置を使っていますよね。この装置の中に、ろ過するためのフィルター以外にバクテリアを養生するセラミックなどが入れられています。どうしてなんでしょう。実は、バクテリアの中には、アンモニアを分解するものもいるのです。糞を分解してアンモニアを作るものもいればアンモニアを分解してしまうバクテリアもいる。バクテリアはすごい。水槽内にこのバクテリアが十分養生されていれば、アンモニアをどんどん分解するわけです。最終的には硝酸iイオンに変えるのでこのイオンを取り除くためにも水交換をするのです。硝酸イオンはアンモニアほど有毒ではありません。全部水を交換しない理由が分かりましたか。さらに、できるだけ長く水交換をしない方法は、自動的にこの硝酸イオンを処分する方法を考えればよいのです。私にはそこまでの能力が無いので水交換を頻繁にするわけです。
(3)水交換以外に硝酸イオンを取り除く方法はないの?
 困ったな。実はアンモニアよりは取り除きやすいのです。珊瑚を入れたりしちゃったりして。珊瑚は炭酸カルシウムの塊などで硝酸イオンと反応します。硝酸イオンは硝酸という酸を構成するイオンなので、硝酸が水槽内に生成されます。この硝酸の酸度を落とす働きが珊瑚にはあるのです。でも、入れすぎると弱アルカリ性の水になっちゃうので、中性〜酸性を好む魚は困っちゃうので要注意。私なんぞ、少し入れてます。隠しアイテムです。その他として、バクテリアの中に嫌気性バクテリアがいて、硝酸イオンを分解してしまうツワモノがいるのです。嫌気性なので、養生するのが難しいのです。アンモニア分解バクテリアはちなみに好気性です。三番目として、水草をいれ、硝酸を栄養分として固定させる方法です。硝酸を窒素成分として固定する水草もあるようですが私は分かりません。そちら方面の専門家に聞いてみよう。
(4)メカニズムを詳しく知りたい!
 さらに、困りました。では、まず炭水化物と脂質から
  成分 炭素C、水素H、酸素O
          ↓ 消化酵素
           |→栄養分→最後は水H
Oと二酸化炭素CO
          ↓
         未消化分
          ↓腸内バクテリア
           |→水H
Oと二酸化炭素COとメタンCHなど
          ↓
         さらに未消化分(糞)
          ↓水槽内好気バクテリア
         水H
Oと二酸化炭素CO
 次はタンパク質
  成分 炭素C、水素H、酸素O 
窒素N 硫黄Sなど
          ↓ 消化酵素
           |→栄養分→最後は水H
Oと二酸化炭素COアンモニアNHなど
          ↓
         未消化分
          ↓腸内バクテリア
           |→水H
Oと二酸化炭素COとメタンCHアンモニアNHなど
          ↓
         さらに未消化分(糞)
          ↓水槽内好気性バクテリア
         水H
Oと二酸化炭素COアンモニアNHなど
          ↓水槽内好気性バクテリア(ニトロモナス菌など)
         アンモニアを
亜硝酸イオンNO2に変換 
          ↓水槽内好気バクテリア(ニトロスピラ菌など)
         さらに
硝酸イオンNO3に変換
          ↓嫌気性バクテリア(菌名不祥)と水草
         窒素N
ガスや窒素固定(栄養分)
 このようなメカニズムのようです。硝酸イオンはアンモニアほど魚に与える害は少ないことと、取り除くこともできることがメリットなので、このような処置をするのでしょうね。
 ところで、水槽を立ち上げて間もなくの頃よく魚が死んだり病気になったりします。これは、ニトロモナス菌などが増殖して悪玉のアンモニアから悪玉の亜硝酸イオンが多量に作られますが、このときまだニトロスピラ菌などが増殖していないので善玉の硝酸イオンに変えることができない状態であるためです。このときは、頻繁に少量ずつ水を毎日交換すれば問題が解決します。少量の水とは1/5〜1/4程度です。これを、3週間〜6週間程度続ければ問題が解決するケースが多いようです。人力でアンモニアや亜硝酸イオンを減らす作業です。悪玉の亜硝酸イオンが多量にできないとニトロスピラ菌などが増殖できないとこが一番大切なところです。よって、昔から言われていることですが、大切な魚を飼う時にはパイロットフィッシュ(死んでもいい餌金魚など)を入れて、これらの魚が元気に泳ぎ回るまで様子を見るのが常とう手段です。元気に泳ぎ回れば水槽内の環境が整ったと判断できます。毎日の水交換は辛いですからじっくりと準備してから愛魚を飼いましょう。
(5)バクテリアを養生するセラミックてなんですか?
 別にセラミックでなくてもよいのです。微量な糞などをトラップする構造であればよいのです。セラミックは多孔質の石の一種です。軽石を考えればよいでしょう。素焼きの鉢を砕いて使ってもよいのです。微量の糞が詰まればバクテリアが餌として増殖します。詰まり過ぎると酸素が行かなくなり効果がなくなります。よって、時々水洗いします。きれいに洗い過ぎないように注意しよう。年に2〜3回程度かな。
(6)その他
 いろいろと熱帯魚養育本が市販されてますがそれを参考にしてください。とにかく、魚を生かし続けるのは難しい。金をかけないで長生きさせる術を会得してください。なんて言ってますが、私だって勉強中です。