Mixed Chorus

モダネアーズ マンハッタン・トランスファー
MODERNAIRES MANHATTAN TRANSFER

シスターズものも好きだけど女性ヴォーカルをフィーチャーした混声コーラスも大好きな管理人お薦めのアルバムをご紹介します。
混声コーラスの草分け的存在のモダネアーズ、パイドパイパーズからマントラまで、絶妙なハーモニーに酔いしれてください。

第6号 2005.7.16


 MODERNAIRES

@ JUKE BOX SATURDAY NIGHT SONY A-28101
モダネアーズ
Juke Box Saturday Night
1.Juke Box Saturday Night
2.Autumn Serenade
3.Dig-Dig-Dig for Your Dinner
4.Connecticut
5.One Sunday Afternoon
6.There! I've Said It Again
7.Home Town Band
8.I Had Too Much to Dream
9.I Can't Carry a Tune
10.Ain't Misbehavin'

ASINGIN' AND SWINGIN'  VARESE VINTAGE VSD-5866
モダネアーズ
Singin' & Swingin'
1.April in Paris
2.Milkman's Matinee
3.Hi-Diddlee-I-Di
4.Bugle Call Rag
5.Goody Goody
6.Stompin' at the Savoy
7.October 32nd, 1992
8.Honeymoon
9.Amor
10.East of the Sun
11.Salute to Glenn Miller, Parts 1&2
12.I Know Why
13.Sweet Eloise
14.Don't Sit Under the Apple Tree

BTHE GREAT GLEN MILLER INSTRUMENTALS/WE REMEMBER TOMMY DORSEY TOO! 
  EMI 7243-5-33087-2-8
モダネアーズ
The Great Glenn Miller Instrumentals
/We Remember Tommy Too!
1.Tuxedo Junction
2.String of Pearls
3.Sunrise Serenade
4.Pennsylvania 6-5000
5.Sleepy Town Train
6.In the Mood
7.St. Louis Blues March
8.Little Brown Jug
9.Stardust
10.Adios
11.Caribbean Clipper
12.Moonlight Serenade
13.Boogie Woogie
14.Night We Called It a Day
15.On the Sunny Side of the Street
16.Song of India
17.There Are Such Things
18.I'm Getting Sentimental over You
19.Yes Indeed
20.I'll Never Smile Again
21.Opus #1
22.Once in a While
23.Swanee River
24.Marie

モダネアーズは五声ハーモニー(女声1、男声4)によるモダン・コーラス・グループの草分け的存在で、36年に結成(当初はハル・ディキンソンを中心とした男性4人で活動)、41年にグレン・ミラー楽団に加わり、その半年後にはハルの夫人でPKの愛称で親しまれたポーラ・ケリーがグループに参加し、大いに人気を博しました。

@は「Juke Box Saturday Night」など40年代のヒット曲を中心に選曲したアルバム。19年生まれですから、まだ20代の若々しくてキュートなポーラのヴォーカルが楽しめます。

Aは50年代にコーラルレーベルからリリースされたシングル曲やアルバムからのナンバーを収録した編集盤。力強さを増したハーモニーが魅力ですが、管理人の好みからは少しはずれてるかな。

Bは60年代に入り発表したアルバム、「The Great Glenn Miller Instrumentals」と「We Remember Tommy Dorsey Too!」をカップリングした2イン1CD。タイトルで分かるとおりグレン・ミラー楽団とトミー・ドーシー楽団のスイング・ナンバーを軽快に歌った傑作アルバムとなっています。40代になって円熟味を増したポーラのヴォーカルと男性陣のまろやかなハーモニーは絶品です!

70年にハルが亡くなってからもグループは活動を続けましたが、ポーラは還暦直前の78年に引退し、92年に72歳で他界しました。


 PIED PIPERS

@WHATCHA KNOW JOE? THE BEST OF THE DORSEY YEARS  RAZOR TIE 7930182200-2
パイド・パイパーズ
現在品切れ状態のようです。
オークションなどで探してみてください。
1.What'cha Know Joe?
2.Sweet Potato Piper
3.What Can I Say After I Say I'm Sorry?
4.Charming Little Faker
5.Dolores
6.Friendship
7.Isn't That Just Like Love?
8.My! My!
9.Funny Little Pedro
10.You Might Have Belonged to Another
11.Nine Old Men
12.Embraceable You
13.I Love It So
14.Winter Weather
15.Love Sends a Little Gift of Roses
16.Free for All
17.Night We Called It a Day
18.You Say the Sweetest Things, Baby
19.I'll Take Tallulah
20.You've Got Me This Way
21.Let's Get Away from It All


ATHE BEST OF THE PIED PIPERS  EMI-Capitol Music 72438-19622-2-3
パイド・パイパーズ
現在品切れ状態のようです。
オークションなどで探してみてください。
1.Pistol Packin' Mama
2.Deacon Jones
3.Jamboree Jones
4.You Grow Sweeter as the Years Go By
5.You and Your Love
6.(On The) Nodaway Road
7.Cuddle up a Little Closer
8.Journey to a Star
9.Mairzy Doats
10.The Trolley Song
11.I Didn't Know About You
12.Tumbling Tumbleweeds
13.On the Sunny Side of the Street
14.Dream
15.In the Moon Mist
16.Old Man River
17.Mam'selle
18.Tallahassee
19.Cecelia
20.Whiffenpoof Song
21.Lady from 29 Palms
22.Girl of My Dreams
23.My Happiness
24.Underneath the Arches
25.It's Too Soon to Know

モダネアーズと人気を2分した、モダン・コーラス・グループ、パイド・パイパーズは37年に結成され、39年(正式には40年)からトミー・ドーシー楽団の専属となり人気を博しました。メンバーは男性3人に紅一点のジョー・スタッフォードで同じドーシー楽団の専属歌手、フランク・シナトラとの共演も大いに評判を呼びました。
44年にはジョー・スタッフォードに替わりジューン・八ットンが参加、永遠の名曲「Dream」が大ヒットしました。

@はアルバム・タイトルで分かるとおり、ドーシー楽団時代、40年から42年にかけての名唱を集めたコンピレーション盤。ジョーを中心としたパイパーズの素晴らしいハーモニーがたっぷり楽しめるうえ、シナトラが参加したナンバーも5曲収録されています。

Aドーシー楽団から独立した43年から48年にかけて発表されたナンバーを収録。ジョー在籍時の大ヒット曲「Mairzy Doats」(全米8位)、「The Trolley Song」(全米2位)とジューンにメンバー・チェンジ後の代表作「Dream」(全米1位の大ヒット!)など二人の歌姫のヴォーカルが楽しめるお徳なアルバムです。




MERRY MACS

@MAIRZY DOATS  ASV CD-AJA-5393
メリー・マックス
Mairzy Doats
1.Pop Goes the Wasel
2.I Got Rings on My Fingers
3.Ta-Hu-Wa-Hu-Wai
4.A-Ruble A-Rhumba
5.Paloma
6.I'm Forever Blowing Bubbles
7.Vol Vistu Gaily Star
8.Clap Yo' Hands
9.Breezin' Along With the Breeze
10.Ma, He's Makin' Eyes at Me
11.Johnson Rag
12.I Get the Blues When It Rains
13.Way You Look Tonight
14.Isn't That Just Like Love?
15.Do You Ever Think of Me?
16.You Made Me Love You
17.Dolores
18.Pale Moon
19.Hut-Sut Song
20.Deep in the Heart Texas
21.Breathless
22.Jingle, Jingle, Jingle
23.Mairzy Doats and Dozy Doats
24.Pretty Kitty Blue Eyes
25.Sentimental Journey
26.Laughing on the Outside

ATHE HARMONIOUS HITS OF MERRY MACS  
  COLLECTOR'S CHICE MUSIC MSD-36072
メリー・マックス
Harmonious Hits of the Marry Macs
1.Hut Sut Song
2.By-U, By-O
3.Deep in the Heart of Texas
4.Jingle, Jangle, Jingle
5.Breathless
6.Cheatin' on the Sandman
7.Dolores
8.Praise the Lord and Pass the Ammunition!
9.Mairzy Doats
10.I'm Ridin' for a Fall
11.Pretty Kitty Blue Eyes
12.Sentimental Journey
13.Laughing on the Outside
14.You Made Me Love You


メリー・マックスはジョー、テッド、ジャッドのマクマイケル兄弟に紅一点シェリー・マッケイを加え32年にレコーディング・デビュー。シェリー・マッケイからヘレン・キャロル、メアリー・ルー・クック、マージョリー・ガーランドと度々女性メンバーの交替を繰り返しますが、50年代以降まで息の長い活躍を続けました。(44年にはジョーが戦死してしまったため、ディック・ボールドウィンが加入しています。)

@は38年から48年にかけて録音されたナンバーを収録した英国編集の企画盤。
「Mairzy Doats(and Dozy Doats)」はパイド・パイパースに先がけて40年に録音、全米1位の大ヒットを記録しました。マックスのヴァージョンはパイパーズに比べ、ポップでいい意味での軽さがあり管理人も大好きですね。
「Dolores」は全米2位の大ヒット。こちらもパイパースに先がけての録音。パイパーズはシナトラとの共演盤でしたが、マックスはビング・クロスビーとの共演です。チャート順位では負けてますけど(パイパーズ・ヴァージョンは全米1位)やっぱりビングはいいですね。

A39年〜46年にデッカ・レーベルで録音したヒット曲を集めた米国編集盤。
かなりの曲が@とダブってしまっていますが、2、6、8、10の4曲は@に未収録。ファンならこの4曲だけのために購入しても損はないと思いますね。

ジャズ批評bV8にマージョリー・ガーランドが在籍した50年代が一番充実していたと瀬川昌久さんが書かれていますが、残念ながら50年代に録音された作品はCD化されていません(たぶん)。是非とも復刻を!




AXIDENTALS


THE AXIDENTALS with The KAI WINDING Trombones  MCA UCCU-3004
アクシデンタルズ
ウィズ・ザ・カイ・ウィンディング・
トロンボーンズ
1.デイ・イン・デイ・アウト
2.アイ・ウィル・カム・バック
3.ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ
4.ザ・ジプシー・イン・マイ・ソウル
5.クロース・トゥ・ユー
6.ノー・ムーン・アット・オール
7.ウェイティング・フォー・ザ・ロバート・E.リー
8.ウォーキン
9.フラミンゴ
10.ロッカバイ・ブルーバード
11.アウト・オブ・ジス・ワールド
12.ユー・ガッタ・ウェイル

アクシデンタルズはサンフランシスコ州立大学の同級生4人(アン・ウィンタース、ボブ・サムナーズ、ミルト・チャップマン、サンディ・ロジャース)で56年に結成されました。メンバーは4人とも音楽を専攻していて、器楽の演奏もマスターしていたことが彼らの高度なハーモニーにつながったとの評価があるそうですが、そんな堅苦しい雰囲気は全然なくフレッシュで生き生きとしたコーラスを聴かせてくれます。

本作は58年に録音されたアルバム。タイトルやジャケ写で分かるとおり、トロンボーン奏者のカイ・ウィンディングを中心とするミュージシャンがバックを努めています。まぁ、誰が見てもあの大傑作「フォア・フレッシュメン&5トロンボーンズ 」(55年作品)のパクリですけど、内容的にはジャズ・コーラスの楽しさを十分満喫させてくれる素晴らしい出来となっています。

ただ、ひとつ不満なのがアクシデンタルズとカイが主役とのコンセプトから、一貫してカイのトロンボーンとコーラスが左右に分けて定位していること。特にヘッドフォンで聴くときなどはコーラスが右チャンネルからしか聞こえてこないためちょっと聴きづらいですね。(まぁ、モノラルで聴けばいいんですけど。)



MANHATTAN TRANSFER


@Manhattan Transfer  ATLANTIC 18133-2
マンハッタン・トランスファー
Manhattan Transfer
1.Tuxedo Junction
2.Sweet Talking Guy
3.Operator
4.Candy
5.Gloria
6.Clap Your Hands
7.That Cat Is High
8.You Can Depend On Me
9.Blue Champagne
10.Java Jive
11.Occapella
12.Heart's Desire

AComing Out  ATLANTIC 18183-2
マンハッタン・トランスファー
Coming Out
1.Don't Let Go
2.Zindy Lou
3.Chanson d'Amour
4.Helpless
5.Scotch and Soda
6.Speak Up Mambo (Cuentame)
7.Poinciana
8.S.O.S.
9.Popsicle Toes
10.It Wouldn't Have Made Any Difference
11.Thought of Loving You


BPastiche  RHINO 8122-71809-2
マンハッタン・トランスファー
Pastiche
1.Four Brothers
2.A Gal In Calico
3.Love For Sale
4.Je Voulais (Te Dire Que Je T'attends)
5.On A Little Street In Singapore
6.In A Meloow Tone
7.Walk In Love
8.Who, What, When, Where, Why
9.It's Not The Spotlight
10.Pieces Of Dreams
11.Where Did Our Love Go
12.Single Girl

お待たせしました。トリはマントラです!
マンハッタン・トランスファーはティム・ハウザーを中心に69年に結成しますが、鳴かず飛ばずの末、71年にあっけなく解散。しばらくタクシー・ドライバーをして生計を立てていたティムですが、たまたまお客として乗り合わせたローレル・マッセーと意気投合、アラン・ポール、ジャニス・シーゲルを誘って4人組コーラス・グループとして73年に再出発します。地道な活動を続けていくうちにベット・ミドラーに見い出され75年に再デビュー・アルバムをリリースし、大評判に。79年、ローレルに代わりシェリル・ベンティーンが加入しますが、現在も実力、人気を兼ね備えたスーパー・グループとして大活躍しています。

@は75年の記念すべき再デビュー盤。全曲すばらしい出来ですが、LP時代のA面に当たる1曲目から6曲目までの流れは完璧といってよいでしょう。グレン・ミラー楽団の大ヒット曲をおしゃれに歌った1、60年代ポップスの楽しさを味わさせてくれる2、ゴスペル調のコール・アンド・レスポンスが熱い3、ノスタルジックでとろけるような4、思わずのけぞってしまうほどキザ(でも最高!)なアラン・ポールのヴォーカルをフィーチャーした5、軽快なオリジナル曲6、まで息をつかせません。B面に当たる7〜12もThat Cat Is High」、「Java Jive」など佳曲ぞろいで、正に傑作の名にふさわしい作品となっています。

Aは76年リリースのセカンド・アルバム。のっけの「Don't Let Go」からもうノリノリです。シャンソン・ムードたっぷりのヴィブラート唱法を聴かせてくれる「Chanson d'Amour」、ジャニスの甘い歌声が素敵な「Scotch and Soda」、ナット・サイモン作のスタンダード・ナンバーを見事なハーモニーで歌った「Poinciana」、ポップなディスコ調のナンバーが意外なほどカッコいい「Where Did Our Love Go(やっぱり、マントラは何をやらせてもうまいわ!)など聴き所満載。

Bライヴ盤を除きローレル在籍時の最後のアルバムになってしまった(T_T)78年発売のサード・アルバム。当時のアルバムのA面に当たる1〜6の曲はウディ・ハーマンン楽団がヒットさせた「Four Brothers」、46年の映画主題歌「A Gal In Calico」、巨匠エリントンの作品「In A Meloow Tone」など30〜40年代の古いナンバーを中心としたノスタルジック・サイド、B面に当たる7〜11(12はボーナス・トラック)はルパート・ホルムズ作の「Who, What, When, Where, Why」、ロッド・スチュワートがアルバムで取り上げたナンバー「It's Not The Spotlight」、スプリームスの全米bPヒット「Where Did Our Love Go」などを取り上げたポップ・サイドとなっています。文句なしの傑作アルバムと言えますね!

マントラはローレルからシェリルへのメンバー・チェンジ後ますます評価を高め、アルバム「ボーカリーズ」でグラミー賞を獲得するなどアメリカのポピュラー音楽史上に大きな足跡を残す存在となりましたが、個人的には今回ご紹介した、いい意味で「下世話」さのあったローレル在籍時のアルバムに一番愛着を感じますね。

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