バリアフリー問題



■バリアフリー問題

 我が国は、21世紀に向けて急激な「高齢社会」を迎えようとしています。
 1995年日本の高齢化率(全人口に占める65才以上の高齢者の割合)は14%を越え、「超・高齢社会」へと突入しました。1970年高齢化率が7%に達して以来、おおよそ1/4世紀の間に、2倍にも膨れ上がりました。西欧諸国では7%から14%に到達するのにおおむね70〜80年を要しました。
 他方、日本の「少子化」は、結婚年齢の高年齢化と相まって一人の女性が生涯1.41人の子供しかもうけない状態となっております。そして2025年には高齢化率が25%を越え、「4人に1人が高齢者」となる日が目前に押し寄せています。ところが高齢者(約1690万人)や障害者(約350万人)に対して「優しい社会」とはいえません。余りにもバリアー(障害)が多いからです。 このような背景で、「バリアフリー」と言う考え方がでてきました。
 バリアフリー(Barrier Free)とは,1974年国連障害者生活環境専門会議が「Barrier Free Design」という報告書をまとめたことから建築用語として登場しました。現在は、物理的・心理的・社会的な障害を除去するという意味で使われています。そこで、ここでは「既に存在している障壁を取り除く」という考え方から、「最初から障壁を感じさせない」という考え方のもと、高齢者や障害者が、健常者とともに快適に暮らせる社会を目指し、建築を通じて考えていきたいと思います。



I バリアフリー空間の設計ポイント
 身障者・高齢者の安全性や快適性に配慮した「バリアフリー建築」の設計は、障害の程度や年齢などをきめ細かく分析し、依頼者に合わせ個別の対応をする必要があります。特に、手摺などは径の太さや取付位置などが、障害の程度などによってミリ単位で微妙に違います。しかし、今後高齢者が特別でなく一般となる社会構成で、それまで一般とされていた基準がかわることになるでしょう。つまり、ユニバーサルスタンダードが高齢者対応となることを考えなくてはなりません。この視点の移動によって、はじめて物理的バリアフリーから精神的バリアフリーへとその本質が問題になるでしょう。



II バリアフリー空間の設計項目

駐車場
アプローチ
玄関
手摺

浴室
トイレ
居間・寝室・キッチン
建具
階段




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