オゾン層破壊問題

オゾン層破壊問題
オゾン層について
オゾン層の破壊
オゾン・ホール
フロンガス
オゾン層破壊による影響
オゾン層保護対策



1.オゾン層破壊問題
 原因:特定フロンが原因
 対策:製造工程も含めて極力特定フロンを利用しない製品の開発




2.オゾン層について
 地球のオゾンの大部分は成層圏以高(20〜30キロ)にあり、これがオゾン層と呼ばれています。空気中の酸素が成層圏の強い紫外線を浴びて生成します。地球の全てのオゾンを0度1気圧の標準状態で地表に集めると、わずか3@程度の厚さにしかならないほどその存在量は微小です。酸素から次々と作られ、他方では消滅する反応を繰り返し、季節や緯度によって異なるものの、長い目で全体として一定の量が保たれています。




3.オゾン層の破壊
 1974年、アメリカのカリフォルニア大学のローランド教授らがフロンによってオゾン層が壊されるとの学説を発表しました。今日では、正しい理論として受け入れられています。また、南極におけるオゾン・ホールは一層効率的にオゾンを壊す別のメカニズムによって起きているそうですが、その原因物質はやはりフロンであるとされています。




4.オゾン・ホール
 オゾン・ホールは、南極で,春にあたる10月頃に成層圏オゾンの濃度が通常の半分程度まで急激に減る現象です。周辺の濃度に比べて穴のあいたように低濃度の場所が生じるのにちなんだ命名です。理論では、緯度が高いほどオゾンの減少が激しいとされており、極域のオゾンの観測は予測理論の適否を確かめる上で重要です。




5.フロンガス(クロロフルオロカ−ボン chloro-fluoro-carbon
 家庭用電気冷蔵庫の冷媒、カーエアコン、スプレー式殺虫剤、ヘアースプレーなどの噴霧剤や半導体の洗浄に使われていました。対流圏では分解しないフロンはガスの種類によって、遮蔽する赤外線の波長が異なります。このため、既に大気中に多量に存在する二酸化炭素が増加してもそれほど気温が上がりませんが、濃度の低いフロンなどが増加すると気温に大きく影響します。例えば、フロン1分子で二酸化炭素1万分子に当たる気温上昇効果があると計算されています。




6.オゾン層破壊による影響
 フロン削減がないと80年後にはオゾンが半分に減り、有害紫外線(UV-B)の地表への到達量は今の2倍に増加するといわれています。このため、皮膚ガンの増加(患者率の3倍程度の増加),白内障の増加,免疫力の低下などの健康被害のほか、農作物の収穫減少,海洋生態系の基礎となる浅海域のプランクトンの減少などの生態系への悪影響が予測されています。さらに、光化学スモッグの悪化と温暖化の促進などの影響もあります。




7.オゾン層保護対策
 一度破壊されたオゾン層の回復には多大の年月を要します。国際的に協調してオゾン層保護対策を推進するため、1985年3月に「オゾン層保護のためのウィーン条約」、1987年9月に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択され生産規制を中心とした対策が国際的に実施されるとこととなりました。これにより、特定フロン(フロン11,12,113,114,115の5種類)に関しては、日本は一時期年間14万トン超の生産が行われていましたが、1995年をもって生産は全廃されるに至っています。