岡崎市近未来都市構想2020の概要

3. 将来環境の変化による可能性
(1)サマータイム導入による生活時間帯の変化に伴う可能性
(2)不況による住民意識の変化(仕事中心から余暇の充実へ)に伴う可能性
(3)快適高齢化社会のための環境
(4)高度情報化社会の可能性

3. 将来環境の変化による可能性
(1)サマータイム導入による生活時間帯の変化に伴う可能性

 近々サマータイムが導入されることによって夕方の概念が変わってくると思われる。そうすれば時間に対する人々の意識も変わっていき,個人の生活をもう一度見直すことになる。
 また,社会の認識の中にも子育てのできない父親は親じゃないというような父親像が定着し,これらのことも関係して,家庭や家族の生活を重視し始めることになる。そういった中で,アフターワークは夕方というよりも午後という感覚,つまり仕事が終わってもまだ明るく,午後の延長であるという感覚で外へ出歩く可能性がでてくる。そしてそのまま外で黄昏時を迎え夜につながる。
 このような設定の中で,昼間から夜につながる関連というのが,景観の中で重要視されてくる。そこでその時間体に合わせたコミュニティーの仕方を再考する必要が出てくる。さらに快適な高齢化社会というイメージをどのように関連づけていくかも重要な点である。人が居心地のいいまたは楽しいという前提には安全性が必要である。
 高齢者の中で元気な人が何かの目的のために,趣味や労働を楽しみながら交流ができ,さらに安全で危険性を感じなければ,夜も出歩くことになる。
このことは,ソーシャルスケープいわゆる社会景の調和といった視点でまちを考えることにつながる。
 すべてのまちには社会環境の風景が存在し,それを具体的に康生に持ってきたときに時間帯の概念,休日の過ごし方という計画の部分,それと住民意識がどのように変革していくのかを総合的調和的に考えることが将来の意識革命にもつながると考える。


(2)不況による住民意識の変化(仕事中心から余暇の充実へ)に伴う可能性

 この不況という中で,社会の人々が会社に対する信頼を無くし始めている。
 それまで仕事第一主義だった人が仕事や会社に裏切られ,会社に対する人々の意識もどんどん変わっていき,何のために仕事をしてきたのだろうかという意識の中で,自分の生活を,もう一度見直すのではないだろうか。
 また社会の認識の中に子育てのできない父親は親じゃないというようなことまであたりまえになってくる時代になっていくだろう。
 それらのことも関係して,家庭や家族の生活を重視し始める。と同時に余暇を楽しむという概念をたどり,外に出ようという動きが出た時が勝負であろう。
なろうとした瞬間に切り替えてしまえば何かが始まるだろう。
ニューヨークの例で言えば,夏期の夕方にはどこから来るのか分からないが人が集まってきて,夜中までいる。
 日本も時間の使い方が変わり,夜の12時まで外で遊ぶという方向に変わらないとも言えない。
親も子供も一緒に来る可能性もあり,もっと違う時間や空間の使い方が出てくる可能性を秘めている。


(3)快適高齢化社会のための環境

中心街
高齢者の望ましい住む場所として,金融機関・医療機関・スーパーマーケットなどのモノを買う場所の3つが比較的徒歩圏内にある所。そのため行政側も,時価が高いなどの問題があるが,街の中心部に比較的高齢者の方に住んでもらう場所を用意しようとしている。

日常の楽しさ+危機管理
高齢者は都心に住むべきだろう。ニューヨークでは高齢者が都心に住む。危機的状況に対して行動が起こせる(ボランティアの人が動いてくれる)ので安全である。逆に郊外であると何が起こったかが,分からない。
コンピュータネットワーク(バーチャルモール)で地域社会を結ぶことは商売という意味と安全性,危機管理への両方が意味を成してくるのではないか,それは高齢者対策にもなり商店街の活性化にもなる。
高齢化に対応した環境というものを考えた場合に便利さと医療関係のコンピュータネットワークを同時に考える様な,違ったネットワークが必要になってくる。
その一例として
有店舗仮想商店街構想
商店街を情報ネットワークで結びながら,そこに介護保健的なものや医療的なもの全てを一緒にしてしまう。
しかも,高齢者がいつでも買い物ができ,カタログ的な仮想商店街ではなく,直接店の人と話ができ,注文をすれば直接配達もしてくれるような半仮想商店街というようなシステムも考えている。
社会活動
現役を退いた高齢者でハイレベルな技術者は今の20代30代の若者に比べて遥かに質が高い。
それでこのような人達が半分楽しんでもう少し生き甲斐のある仕事ができないかというような視点もある。
半分公共と半分ボランティアそして高齢者の生き甲斐というのをうまく組み合わせ,組織としてうまく活性化させて細胞のように大きく広がっていくことを考えると良い。
精神
精神面での話で,ストレス解消方法として体を動かして汗をかいたり,買い物をしてお金を使ったりする。
その他では,声を出すということもストレス解消に繋がる。
ビニールハウスの中で一週間奥さんと二人だけで仕事を行うと,たいていは外との交流を絶たれると自分を精神的に追い込んでしまい軽いノイローゼの状態になる。
農家の人がそれではまずいので昼の三時に休憩をとり,みんなで喫茶店に集まり自分の話をすることにした。そのことでストレスが発散されノイローゼの状態になる事を防止する事が出来る。
家に閉じこもっている高齢者も同じことがいえるのではないかと思う。
だから,お金を使ってもらって,世間のためになるよう汗をかいてもらい,若干人の世話をしながら声を出してもらってというような所を考えていけば,ストレスを溜めずに,快適な生活が送れるのではないかと思う。



(4)高度情報化社会の可能性

 街の個性というのも結構いい加減で,人に行き着く。人の情報をもっと出せないのかなと思う。
それが一番岡崎を差別化することが出来るのでは。
 その中の文化は,文化を発信する人が何人いるかで決まる。ただ,それをどういう風に集めて,発信するかということについてはまだ考えがありません。
 本来口コミで伝わるような街のささいな魅力を情報として集め,沢山の人にその情報を流すことで,人々の行動のきっかけづくりを行い,情報を伝えるという一つの行為が,人々の流れをつくり街の活性化に繋がるのではないか。
 地域コミュニティの新しい形を作り出すだろう。
 インターネットは本来,どんなにも遠い世界であろうが身近になるという利点があるのだが,身近な地域の中でも顔を知っているからこそ人間関系が希薄にならない。



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