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今宿コミュニティセンター駐車場→ お杓母子神社→ お杓 母子山→ 今宿コミュニティセンター駐車場 |
「お杓母子山」と記して「おしゃもじやま」と称す。二万五千図に山名の記載はないが、麓に、ご飯を盛りつける「おしゃもじ」を祀った「お杓母子神社」という小祠が鎮座するゆえに、このような山名で呼び習わされる小丘である。標高62.4メートル、いささか低いが山頂には4等三角点が設置されている。
ちなみに、白山書房の「日本山名総覧」をめくってみると、埼玉県の欄に「お杓母子山(おしゃもじ山公園) 63メートル 鳩山町」として、記載されている。いち応、「山」として認められている様子である。ただし、その標高63メートルは、埼玉県の山としては旧大宮市の「浅間山 10メートル」に続いての低山である。 山であるからには一度は登っておかなければならない。9時過ぎ、車で出発する。今年初めての本格的冬型気圧配置とのことで雲一つない晴天ではあるが北風が強い。40分ほどのドライブで鳩山町の今宿交差点に隣接した今宿コミュニティセンターに到着した。大きな駐車場に車を停める。その背後に目指すお杓母子山が聳えている。 駐車場の脇から上部に向う細い鋪装道路に入る。その道路脇に小さな祠を見つけた。山名の由来となった「お杓母子神社」である。しかし、驚いたことに、祠は完全に薮に包まれ、近づくことさえままならない状態である。もはや、参拝する人も、お祀りする人もいないのだろうか。薮をかき分け、何とか祠に近づく。祠内を覗くと、おしゃもじがたくさん奉納されている。この神社の御神体は文字通りおしゃもじである。参拝者は神社からおしゃもじを借りて持ち帰り、「子供が丈夫に育ちますように」と祈願する。そして願いが成就した暁には新しいしゃもじを添えて、神社に借りたしゃもじを返すのだそうである。 少々急な鋪装道路を2〜3分登るとあっさり「おしゃもじ山公園」と標示された山頂に達した。山頂は小広く開けており、展望台、四阿、忠魂碑、頌徳碑、トイレ、幾つかのベンチが設置されている。62.4メートルの四等三角点「今宿」を探したが見つけることはできなかった。展望台に上る。南面、西面が大きく開けている。眼下に鳩山町の小さな街並みが広がり、その先にはただただ武蔵野の広がりが見られる。西方遠くには奥武蔵の低い山並みが連なっている。 山頂から続く細い遊歩道を今宿コミュニティセンターに下る。小さな「登山」の終焉である。 登りついた頂
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