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大宮駅からテクテク歩いて約15分 |
前々から気になっている「山」がある。否、山と呼ぶには少々、いや大分おこがましいのだがーーー。さいたま市大宮区(旧大宮市)の街中に浅間山なる「山」が存在することをふとした機会に知った。ネットで検索してみると幾つかの登頂記録がヒットする。どうやら好事家の間では名の知れた山のようである。調べてみると、この山を世間に知らしめた基は三省堂書店発行の「日本山名辞典」らしい。
早速、図書館に行って当該辞典を調べてみると、ありました! 辞典末に付録として全国の低山が特集されている。まず、全国の低山66座が、低い順にリストアップされており、埼玉県からは、「浅間山(さいたま市)15メートル」と「ぽんぽん山(吉見町)35メートル」が記載されている。ぽんぽん山は昨年の11月に登った比企丘陵の山である。さらに辞典には、各県別の最低山が記されており、埼玉県の項には二座が記されている。「等高線による」として、「浅間山(さいたま市)15メートル」、「三角点・標高点による」として「丸墓山(行田市)36メートル」とある。丸墓山は行田市のさきたま古墳群にある日本一の円墳である。古墳を「山」とするのはどうかと思うがーーー。 さらに、念のため手元の「日本山名総覧 白山書房」を調べてみると、何と! 「浅間山 10メートル 大宮市」と記載されているではないか(さすがに丸墓山は記載されていない)。これはもう浅間山を「山」と認定せざるを得ないだろう。であるなら、一度登っておかねばならない。ちょうど大宮へ行く用事があったのでついでに登っておこう。炎天下の昼下がり、大宮駅からテクテクと歩きだす。9月に入ったというのに真夏並の暑さが続いている。地図を確認し、氷川神社参道の一本東の通りを南下する。 駅から約15分、住宅の建ち並ぶ市街地のど真ん中、浅間町の自治会館前に目指す山はあった。木々に覆われた高さ4〜5メートルの高まりである。南側の道路に面して、登山道が二つある。メイン登山道と思われる登り口には目にも鮮やかな赤い鳥居、山頂には浅間神社が祀られているはずである。地図には「浅間山」の記載はなく、「浅間神社」と記載されている。 約20段の石段を登ると、10秒ほどで山頂に達した。無事の登頂である。平坦地となった山頂には、これも色鮮やかな朱に塗られた大小二つの祠が鎮座していた。小さいほうには「浅間稲荷神社」の標示、大きいほうは特に標示はないが浅間神社なのだろう。山頂は木々が茂り展望は利かない。西隣りの幼稚園から賑やかな園児の声が聞こえる。満足してもう片方の登山道から下る。 改めて下から小山を見上げる。まったくの平坦地にポコンと盛り上がった小山であり、古墳にも思えるが、古墳リストには記載されていない。浅間神社が祀られていることから考え、人工的に築かれた富士塚なのだろう。歩いて大宮駅に戻る。
登りついた頂
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