おばさんは、昔ながらの天秤棒を使って魚の重さを量る。「ちきり」である。この時期はタコが多いそうである。おばさんは、時には自分の上半身ほどの長さのある大ダコを「ちきり」で顔のへんまで持ち上げて重さをはかる。

 「ちきり」がおもり側に傾けば魚は軽い、魚側に傾けば魚は重い。「ちきり」が水平になるまで魚を詰めて売るのだ。だが、何故かおばさんは「ちきり」が魚側に傾いた時にお客に手渡すことが多い。

 「多めに、“かてて”いるのだ・・・・ 」 私は、カメラのレンズを通して、そんな昔ながらのサービスのしかたを見ることができたような気がした。
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