ふるさと再発見
   草ケ部の物語2010.12.1発行

平成16年4月から3ヶ月ごとに発行してきました、くさかべ大池公園愛護会機関誌「おおいけ」に掲載しました
「ふるさと再発見」と皆様からご投稿頂いた「少年時代の思い出」「ふるさとの昔話」「私の戦争体験記」などをまとめて、
手作りの冊子を印刷しました。
試みに冊子をPDF形式の電子書籍にしましので、閲覧して頂ければ幸いです。

      





はじめに

 「野に咲く花や草のように、人は生まれ、それぞれの土地で、それぞれを生き、そして散っていきます。
自然に囲まれ、親がいて家があり、成長し人と結ばれて子が生まれるというように、人にはそれぞれの人生があります。
時には不安におびえ、喜びながら生きています。そのとき、この世界はどのような場所か、人はなぜ生まれたのか、
なぜ死んでいくのかと、ふと問いたくなります。 
 いつの時代にも同じですが、人は、そうした不安を納得して受け入れるために、生きる根拠が必要なのです。
それを保証するのが神話であり神様や仏様ではないでしょうか。
 いまから千三百年も前に書かれたという日本最古の歴史書といわれている古事記や日本書紀は、
神々の誕生から大和を統一した天皇が織り成す波乱万丈の物語を、語り部の古老が言葉で伝えてきた神話や伝説を、
はじめて漢字で表したものです」 三浦祐之著の文春文庫『古事記講義』の巻頭にはこのように書かれています。
 この冊子は平成十六年四月から三ヶ月ごとに発行した、くさかべ大池公園の愛護会機関誌「おおいけ」に掲載しました
「ふるさと再発見」とご投稿頂いた「少年時代の思い出」「ふるさとの昔話」などをまと
「私の戦争体験記」も掲載しました。いついつまでも、いさかいのない平和な村や街の暮らしが続けばと念願するばかりです。
 「ふるさと再発見」を掲載するにあたっては、多くの先輩方に草ケ部に伝わる話をお聞かせ頂き感謝しています。
 なお、地名の由来などについて瀬戸内市長船町の郷土史家の浦上宏氏に格別の寄稿を頂きました。厚くお礼申し上げます。
 この冊子が、我が愛する草ケ部に伝わる昔話を少しでも次世代に伝えることができれば幸いです。        
                                                          平成二十三年十一月                 

目 次
      
ふるさと再発見 
                   西組 中西 厚
・大池のお地蔵さん/大池の鯉と鮒/万灯の起源と万灯山
     ・盂蘭盆と仏様送り/大廻小廻山国史跡の指定/湯屋の井戸と高月院
    ・池之内の井戸普請/忠霊塔と法追の貝塚/法追の古墳と神社の址
・法追の地名の由来/大廻小廻山の国指定シンポジウム
         ・築地山常楽寺の由来と盛衰/築地山の妙見様と妙見菩薩/築地山村の荒神様
          ・伊勢大神楽とひょうけ爺さん/お伊勢参りとお伊勢講/江戸時代の長寿の記録
     ・草ケ部の地名と地図/草ケ部の条理制水田/条理制水田遺構の推理
・地頭の館跡の地頭土井/立河神社の石灯籠と狛犬
    ・立河大明神の波渡りの伝説/立河神社の祭神/立河神社の縁起
       ・多田屋敷とコンガラ屋敷/コンガラ屋敷の址/秀吉の禁制令と多田屋敷
・古代の山陽道/常楽寺に伝わる秀吉の禁制の木札
       ・多田家はなぜ滅亡したか?/西山の陣屋跡と石垣/西山墓地の謎の藍塔
     ・小廻山の八大龍王と向山の龍神様/龍神様を怒らせて大雨を降らす
       ・聖なる磐座の向山/山陽線の赤煉瓦のアーチ橋/山陽鉄道の建設の歴史
・農民による反対運動/カルバート工事で汗を流した村人
         ・線路の盛り土はどこから運んだか/森神社の祭神と森前の埴輪/権現様の由来
         ・ブトウ畑の土器のカケラ/古墳と埴輪/古墳の主は誰か?古代のロマンを探る
       ・地名は語る?ウネバタケ/大日幡山から昇る冬至の太陽/夏の虫追い行事
           ・謎の鉦子谷と製鉄遺跡/小辻山と大山の横穴式古墳群/鉦子谷は古代の製鉄遺跡?
    ・鉦子谷に残る謎の石垣や土塀/鉦子谷の坊主道/鉦子谷の馬乗り場
    ・カンカン石のお地蔵さん/万灯山の六地蔵/万灯山のイボとり地蔵
・四辻の地神様/備前の要である大廻小廻山
      ・日本書記や万葉集に登場する日下部郷/源平盛衰記に登場する草壁郷
・草ケ部の領主の変遷/草壁郷の役所はどこにあったか?
   ・餅田、宮地、字「車田」は神田であった?/築地山村の古絵図
・仁王門の老松と〆縄/築地山常楽寺の黒門
   ・法追の八幡様と鳥居/築地山村の区長と戸長/草ケ部の古絵図
・官道の和気往来/人次踏切と一ツ木川橋りょう
・祝○草出荷組合百周年・草ケ部の葡萄栽培のパイオニア
     ・昔はサトイモやサトウキビなども/桃や梨も盛んに栽培されていた
・果樹栽培の先人/桃太郎の父親は草ケ部で生れた!
            ・小廻山や大平山の山争い/小廻り入林保管同盟規約/なぜ野山の争いは起きるのか
      ・大平山をめぐる野山紛争/下肥も大切な肥料/築地山と小廻山の伝承
・草ケ部のお大師さん/常楽寺の北向き地蔵と文英様石仏
       ・災害は忘れた頃にやってくる/防災マップにみる草ケ部地区の危険箇所
           ・百ミリ降ったら百メートル逃げろ!/自主防衛のすすめ/地層に残る災害の歴史
   ・災害から家を守る先人の知恵/大蛇と大崩/地名は貴重な遺産

特別寄稿

冬至の日の出線と地名の由来 81        瀬戸内市 郷土史家 浦上 宏
・冬至の日の出線について
・大日幡山について
・古墳上の神社について
 ・産鉄関係の地名について
 ・立河大明神の由来について

少年時代の思い出 88                   沖組 羽原勝也
             ・キャッチ・アンド・リリース       
・お盆の胆ためし
・木馬と木炭自動車
           ・昔お世話になったセンセイ(お医者さん)

ふるさとに伝わる昔話 92                 沖組 西野輝男
・新池の怪火
・万灯山の白狐
・小豆洗いの話
・狐を騙した話


ふるさとの思い出 96   岡山市中区関 岡本菊江
・草ケ部大池
・大池の四季

創作童話 98             沖組 森 正忠(冬至生(としお))
  ・野ねずみ地蔵
・里山諷詠

戦後六十年 私の戦争体験 100              西組 国定 昇
 私の思い出記  
・儲かった葡萄づくり
・赤紙の招集令状
・立河神社で万歳三唱
・上陸二日目の戦闘
・背嚢を枕に銃を抱いて
・狐に騙された話
・部下を率いての戦闘攻撃
・無事に帰還
      ・内地防衛のため再び土佐高知へ  
・爆撃による同僚の死
・戦友の火葬
・瀬戸での桃の買付け
   ・夜汽車で隊長の妻を護送

 草ケ部の地名地図 (巻末)

 
写真・パソコン入力・編集 中西 厚
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